返済に困った!?消費者金融業者を相手に債務整理をすることは可能なの?

消費者金融業者(サラ金)のカードローン(キャッシング)は非常に便利ですから利用している方も多いと思います。しかし、便利である反面、ついついお金を使いすぎてしまい返済が困難になってしまうケースがあるでしょう。

そのようなときに利用できるのが「債務整理」です。債務整理を消費者金融業者でおこなった場合どうなるのでしょうか?

また、債務整理中や債務整理後にはブラックリストに載ってしまうので大手消費者金融業者から借り入れをすることができなくなります。しかし、中堅の消費者金融業者の中には債務整理中や直後にも融資をしてくれる所もあります。

債務整理中・整理後に消費者金融業者を利用するのはおすすめできるものではありません。

しかし、困窮の果てに闇金に手を出すよりはマシなので、今回は中堅の消費者金融業者もあわせて紹介をします。

消費者金融業者が相手の債務整理について

サラリーマンや学生、そして主婦でも気軽にお金の借り入れができるのが消費者金融業者です。急にお金が必要なときに利用することができるなど便利な反面、便利すぎてついつい借りすぎてしまうケースがあります。

特に消費者金融業者でお金を借りるのが当たり前になり過ぎてしまい、借りたお金を収入と考え始めた場合はかなり危険な状態です。消費者金融業者をちょっと便利な財布感覚で利用していると利息をつけて期日までに必ず返さないといけないという感覚がマヒしてきてしまいます。

以前は、このように消費者金融業者から借りたお金を収入と勘違いしはじめて、A社で借りた分をB社で借りた分で返済をしていくという自転車操業をして、数年後には莫大な額の負債総額になってしまうケースなんてことも珍しくはありませんでした。

いわゆる多重債務状態です。

多重債務状態を防ぐために貸金業法に総量規制という制度が設けられ、年収の3分の1までしか借りることができません。つまり、以前のように借金を返すために借金をするというケースは少なくはなっています。少なくはなっていますが完全になくなってはいません。

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そして、給料が出ても、そのほとんどが借金の返済でなくなってしまうのであれば、家計が破たんする一歩手前ですから、債務整理を考えてみることをおすすめします。

債務整理を考えるのであれば、弁護士や司法書士が在籍する法律事務所へ相談をしに行きましょう。

また、債務整理をするのであれば、同時に過払い金の有無を調べてみることをおすすめします。

グレーゾーン金利という違法な金利の廃止に伴い、過払い金が返還されるケースは少なくなっています。ただ、2010年以前から借金をしている場合は過払い金が発生している可能性があります。

ちなみに、弁護士以外にも司法書士に依頼することもできますが、司法書士は過払い金の総額が140万円以上ある場合は、その案件を受けることができません。司法書士の方が費用は安いのですが、この点は注意しましょう。

消費者金融業者への返済が厳しくなったら債務整理の検討を

消費者金融業者の債務整理は早い方が有利

昇給やボーナスをあてにしていたら、経営不振などにより昇給もボーナスも入らなかった方が、新規で消費者金融業者から借り入れをするケースというのが、近年では多くなっています。

さらに、昇給やボーナスをあてにして返済スケジュールを組むというのも危険です。この誤った返済スケジュールを早期に見直すには、債務整理は向いています。

返済スケジュールの見直しをせずに放置していますと、利息や遅延損害金が増え続けることになりかねません。消費者金融業者のような金利が高い業者が相手の場合、債務整理は早く実行をした方がいいでしょう。

ただし、借り入れをしてから半年以内といったようにあまりにも早く債務整理の手続きをとると、債務整理を前提にして借り入れをしていたと思われ、消費者金融業者との和解が難しくなります。その辺りは注意をしてください。

債務整理とは

債務整理は、

  • 任意整理
  • 特定調停
  • 民事再生(個人再生)
  • 自己破産

この4種類があります。

近年では、過払い金返還請求を債務整理と同時におこないます。

債務整理の中で、もっともポピュラーなものが「任意整理」です。

そして、もっとも利用されていないのが特定調停です。特定調停は消費者金融業者側が有利な条件で調停調書が作られる可能性があるうえ、任意整理と内容は同じなのに手続が大変なので、あまりおすすめされることはありません。

任意整理と過払い金返還請求

任意整理は消費者金融業者と債務者が交渉をすることで、利息のカット、返済期間の延長、過払い金があれば元金の圧縮などをする方法です。裁判所などの公的機関を挟む必要がありませんので、手軽に利用することができます。

そして、過払い金についてですが、利息制限法という法律では

  • 100万円未満の場合、利息は年20%
  • 10万円以上100万円未満の場合、利息は年18%
  • 100万円以上の場合、利息は年15%

と利息が決められています。

しかし、一部の消費者金融業者や銀行では「出資法」という法律を利用して年29.2%で融資をおこなっていました。違法なのですが刑事罰が無かったので、2010年まではグレーゾーン金利として年29.2%の金利は存在していました。

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つまり、年利29.2%で借金をしていた人は、消費者金融業者へ利息を余計に多く支払っていたことになりますので、返還請求をすることができます。

現在グレーゾーン金利は全廃されていますので2010年以降に消費者金融業者から融資を受けた人は利息制限法にのっとった金利になっているはずです。過払い金や金利の引き直し計算については専門的な知識が必要になります。そのため、弁護士や司法書士に任せてしまった方が確実です。

また、任意整理も弁護士や司法書士に任せることをおすすめします。

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債務者が直接、消費者金融業者との交渉をすることはできますが、消費者金融業者はグレーゾーン金利の廃止、貸金業法の改正による総量規制の新設、そして、過払い金返還請求の増加により、大手であっても倒産するほど苦境に立たされているのが現状です。
そのため、債務整理の知識を少し付けた程度の一般人程度ならば煙に巻くことくらい可能です。そもそも、任意整理に応じる必要もありません。

法律相談事務所を利用すると債務整理のプロである弁護士、司法書士が代わりに交渉をしてくれます。自己破産など債権者がさらに損をする可能性をちらつかすことができ、債務者が独自で交渉をするよりも有利な条件で和解をすることができる可能性が高くなります。

民事再生(個人再生)と自己破産

任意整理や過払い金返還請求をしてもなお、消費者金融業者から借りている借金の返済が困難な場合、借金の圧縮額が大きい「民事再生(個人再生)」や「自己破産」を選択する方法もあります。

任意整理の場合、返済期間の延長や利息のカットまでは可能ですが、元金の圧縮は過払い金がない限りは難しくなります。

過払い金があれば、過払い金をすでに元金の返済に充てたものとして元金を圧縮することが可能ですが、過払い金がないのであれば「返済期間の延長」と「利息のカット」の2つしか任意整理では実現できません。

元金の圧縮、もしくは免除まで考えた場合は、「民事再生(個人再生)」か「自己破産」のどちらかになります。

実際に法律相談事務所で、どちらが有利なのか聞いてから決めた方が安全ですが目安としては、

  • 住宅ローンの返済中であり住宅を手放したくないのなら、民事再生(個人再生)
  • 換金処分できるほど高額な財産がない場合は、自己破産

を選ぶのが一般的です。

民事再生(個人再生)については、住宅ローン特別条項を利用することで、住宅ローンを守りながら、その他の債務を、裁判所の命令で圧縮することのできる債務整理です。住宅ローンを支払っていて、住宅を手放したくない人には有効な債務整理法です。

そして、自己破産は一定額の財産をすべて処分する代わりに、税金や慰謝料など一部の支払義務のある債権以外をすべて免除するという、債務整理の最終手段です。自己破産の手続きの途中に「破産者」となり、就くことのできない職業などがあるなど制限を受けます。ただし、免責許可決定が下りれば「復権」をはたして、元の生活と同じような生活を送ることができます。

選挙権のはく奪、戸籍やパスポートに破産した情報が載るというデマがありますが、自己破産をしても、復権さえしてしまえば、不利益をこうむることはありません。

ただし、民事再生(個人再生)と自己破産は、裁判所を利用しておこなう法的な手続きになりますので、官報という国が発行する公報誌に名前や住所などが掲載されます。

そのことにより、官報を集めている業者や闇金からダイレクトメールが債務整理中・債務整理後に頻繁に届くことになります。

債務整理中・後は消費者金融業者を利用できない

消費者金融業者は、信用情報機関のJICC(日本信用情報機構)に加盟をしています。消費者金融業者からお金を借り入れした場合、その記録が個人信用情報としてJICCへ送られて管理されます。

たとえば、総量規制により年収の3分の1以上は借りてはいけないのですが、消費者金融業者は審査の際にJICCに、申込んだ人が現在どれくらい他の消費者金融業者でお金を借りているのかを調べることができます。

審査の際に個人信用情報を調べ総額で、年収の3分の1以上借りていたら、消費者金融業者は貸金業法に違反しないように審査でお断りをするのです。

そして、個人信用情報には債務整理をした記録というものが「金融事故」として5年~10年間は記録されます。金融事故がある状態がいわゆるブラックリストに名前が載っている状態となります。

ブラックリストにのった金融事故を記録は、

  • 任意整理:5年
  • 特定調停:5年
  • 民事再生(個人再生):10年
  • 自己破産:10年

が経過しないと抹消されません。

また、任意整理や民事再生(個人再生)の場合、債務整理を申し出てから返済スケジュールに沿って完済した時が起点にブラックリストに載りますので、たとえば任意整理をして3年で完済すると、それから5年間、通算で8年間は大手消費金融業者から融資を受けることができません。

債務整理中の消費者金融業者の利用は絶対NG

債務整理中は、原則として消費者金融業者は債務者に取立てや催促、給料の差押えをすることができません。つまり、借金を返済する必要がなくなり、借金をする前のように安定した収入を得ることができます。

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そのため、普通に生活をするのであれば消費者金融業者から新規に借り入れをするというケースはまずないと考えられます。
しかし、債務整理中に消費者金融業者から新規で借り入れをしている事実がばれた場合、任意整理なら和解が白紙撤回になり、民事再生(個人再生)は不許可、自己破産は経済的な更生の余地なしとして免責不許可となり、債務整理に失敗します。

その上、法律相談事務所に相談している場合、弁護士や司法書士から見放され、着手金の支払義務のみが残ります。

個人情報保護のおかげで、第三者が個人信用情報を手に入れて閲覧することはできませんのでばれる可能性は極めて低いとはいえ0%ではない以上、債務整理中に新規の借り入れをするのは絶対にやめるべきです。

もしなんらかの金銭が必要になったのであれば、弁護士や司法書士に相談の上、消費者金融業者などではなく公的融資制度を利用するといいでしょう。

公的融資制度としては、

  • 生活福祉資金貸付制度
  • 求職者支援資金融資制度
  • 緊急小口資金貸付

などがあります。

債務整理後に消費者金融業者を利用

債務整理が完了しても、個人信用情報に金融事故を起こした記録が残りますので、金融事故が載っている期間は、大手消費者金融業者からの借り入れというのは原則不可能です。

しかし、中堅の消費者金融業者の場合は、金融事故を起こしてブラックリストに載っていたとしても、収入の安定性や人間性、返済履歴などを多角的に審査しお金を融資してくれることがあります。

これは、中堅の消費者金融業者と大手消費者金融業者が異なった審査方式を導入しているから可能なワザです。

大手消費者金融業者よりも経営的に不安定な中堅の消費者金融業者が大手消費者金融業者では融資を受けられない債務者を拾い上げ、融資をおこなうのです。

そうすれば、大手消費者金融業者と顧客の取り合いをすることなく中堅の消費者金融業者は生き残りが図れるというわけです。

ただし、中堅の消費者金融業者は大手とは異なり金利が高く取立も厳しくなります。貸金業法により取立てについても厳しい制限がありますが、制限ギリギリのラインを突いて取立てをしてきます。

できるのであれば、利用するべきではないといえます。

ブラックリストに載っていても融資をしてくれる中堅の消費者金融業者は、

消費者金融業者名実質年率借入限度額
株式会社アロー15%~19.94%200万円
セントラル4.8%~18%100万円
フタバ14.959%~17.95%50万円
株式会社アルコシステム15%~20%50万円
SGファイナンス9.85%~18%1~300万円
ライフティ8%~20%500万円
フクホー7.3%~18%200万円

このような場所があります。

すべて、無担保・保証人不要で、インターネット申込可能で来店が不要です。また、24時間対応で即日振込対応も可能となっています。

どこも独自の審査システムで運用していますので、ブラックリストに載っている状態であったとしても、即断りではなく審査をおこない融資の有無を判断します。

闇金と消費者金融業者の違い

闇金も消費者金融業者もお金を貸してくれるという点は共通していますが、闇金は違法であり、消費者金融業者は合法です。

消費者金融業者は、貸金業登録をして貸金業法の制限のもとに利息や取立てをおこないます。そのため、貸金業法に違反するような真似は絶対にしません。ギリギリまでせめてはきますが、違反するようなことは絶対にありません。違反をすれば貸金業を営むことができなくなってしまうからです。

闇金の場合は、貸金業登録にそもそも登録をしていませんので、利息制限法や貸金業法に縛られることなく高額な金利でお金を貸し返済することができなければ、暴力的手段もいとわずに取立をします。非常に厄介な集団であるといって語弊はないでしょう。

つまり、闇金と消費者金融業者を同等のものと考えて、安易に手を出してしまうのは非常に危険です。闇金も即日融資・ブラックOKなどと甘い言葉を並べていますが、利用をしたら際限なくお金をむしり取られると考えてください。

闇金からお金を借りてしまったら、債務者が独力でなんとかしようと考えるのは危険です。闇金の場合、闇金との借金問題に実績が多くある弁護士や司法書士へ相談をしましょう。たとえ、債務整理に強い弁護士や司法書士であったとしても、相手が闇金の場合は対応を拒むケースがあります。

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闇金の場合は闇金に慣れていて、実績のある弁護士や司法書士に頼り、一刻も早く解決をするのが最善の手です。

まとめ

消費者金融業者は、非常にお金が借りやすく魔法の財布のようなものですが、消費者金融業者から融資してもらったお金は収入ではなく、借金です。利子をつけて返済をしなければなりません。

その返済スケジュールを甘く見積もっていて返済が難しくなったら早期に債務整理を実行しましょう。一般的には任意整理により消費者金融業者との交渉で和解に持っていきますが、任意整理をしても借金の返済が大変な場合は、民事再生(個人再生)や自己破産という手段を選ぶ必要があります。

債務整理をするとその代償として、

  • 任意整理:5年
  • 特定調停:5年
  • 民事再生(個人再生):10年
  • 自己破産:10年

この期間は金融事故を起こした者として、信用情報機関の記録に残ります。

この間、大手消費者金融業者から借り入れをおこなおうとしても即審査落ちをしてしまいますが、中堅の消費者金融業者の場合、総合的に審査をするので融資をしてくれる可能性があります。

そして、消費者金融業者と闇金は貸金業を営んでいますが、消費者金融業者は法律に従い、闇金は法律に従わず違法な金利や手段での取立てをする、まったく別の存在です。

concierge
債務整理をしたら、甘い言葉に惑わされずに、経済をきちんと立て直していきましょう。

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