【注意】やる前に知るべき任意整理のデメリット。デメリットを理解してから任意整理を実行しよう!

債務整理をしようと考える中で、「任意整理」という選択肢を検討された方も多いでしょう。

しかし、任意整理はけして世間で思われているほど気軽な債務整理の方法ではなく、デメリットも多くあります。

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任意整理を利用しようとしたが、結局は任意整理後の支払いが払いきれず破産手続きなどを取らざるを得なくなった、自分でやろうとしたが貸金業者が応じてくれない、任意整理をしてみたが思ったほど返済額が減らず、これなら最初から個人再生や自己破産の手続きをしておけばよかった・・・
など、不本意な結果となる可能性もあります。

任意整理をした結果、不幸になったということがないよう、ぜひこれから述べる「8つの任意整理におけるデメリット」をしっかりとおさえたうえで、任意整理手続きを行うか、それとも他の手続きを行うかをしっかりと考えていただければ幸いです。

任意整理についての概要

まず、任意整理のデメリットに触れる前に、任意整理の概要について、簡単にまとめます。

任意整理とは、裁判の手続きを使わず、あくまで借り手側と貸し手側で話し合って、債務整理の解決を図る方法です。

現在の利息制限法に基づき返済額を計算し、3~5年で完済できるように話し合いを行います。

もし2010年6月以前から取引がある場合は、過払い金が発生している可能性もあり、後でも述べますが、過払い部分についてはその分だけ債務を減らすことができます。

弁護士・司法書士が介入すればその時点で今後の利息や遅延損害金をカットでき、話し合いで合意がまとまれば、任意整理申し立て前や、弁護士・司法書士の介入前の利息、遅延損害金のカットも望める可能性があります。(任意整理に応じない業者や日本学生支援機構のような団体もあるので、その点は注意が必要です。)

任意整理の特徴とは?

任意整理の特徴について、さらに深掘りしていくと、下記のような特徴があります。

  • 元本を返済する必要はあり、個人再生のような元本を含めた大幅な返済額のカットは期待できない。
  • 貸金業者などの債権者との話し合いがまとまれば、利息、遅延損害金の部分をカットでき、3年~5年で返済できるプランに移行できるが、返せなくなった場合は個人再生、自己破産などに移行せざるを得なくなる
  • 弁護士・司法書士に依頼すれば、任意整理の対象とした事業者については、債権者からの連絡が借り入れた人本人ではなく代理人の弁護士・司法書士に行くため、債権者からの直接の連絡はなくなる
  • 自己破産、個人再生と異なり、任意整理を行う債権者を選択できるので、家や車を手放したくない場合や連帯保証人がいる場合は、その債務に関して任意整理の対象から外すことができる
  • 個人再生・自己破産の場合は債務者の財産の多寡が大きく関わり、財産処分や返済額に大きく影響するが、任意整理の場合は純粋に返せるかどうか、貸金業者との話し合いがまとまるかどうかがポイントとなる
  • 裁判所を通さない手続きのため、他の手続きより簡便で、自己破産や個人再生のように官報に住所・氏名が掲載されるというデメリットがない
  • 自己破産のように、弁護士などの士業、警備員、金融機関役員などの職業に就くことを一時的に制限されることはない

以上、列挙してみると、自己破産や個人再生に比べると、借金返済総額のカット額は少ないものの、心理的な負担感が比較的少ない手続きということは感じていただけるかと思います。

ただ、手続きそのものは非常に煩雑なのはデメリットといえましょう。

任意整理は、特に昔から(具体的には、利息制限法が改正される2010年6月以前)債権者との取引があり、グレーゾーン金利を超える金利で返済をしてきたことがある人や、利息や遅延損害金の部分が膨らんでしまっている人にとっては、一つの良い解決方法です。

ただ、任意整理の場合、官報に掲載されることもなく、また、サイトによっては個人でもできると書いてあるところもあるため、比較的簡単な手続きと思われがちですが、けしてそうではありません。

任意整理の場合、下記に述べるとおり、8つのデメリットがあります。

ぜひ債務整理のデメリットを事前に理解し、極力債務整理に強い弁護士・司法書士のアドバイスも得たうえで、債務整理を選択するか、それとも他の方法を選ぶかをしっかり考えていただければと思います。

それでは、8つの任意整理におけるデメリットについて、ご説明します。

8つの任意整理におけるデメリットとは?

  • 債務の圧縮幅に限界がある(特に過払いがない場合)
  • 事業者と個別に交渉するため、応じない事業者が出る可能性もあり、最近は特に厳しい
  • 任意整理手続申立は、信用情報機関に掲載される(ブラックリスト)
  • 返済義務者・家族に安定した収入がある見込みが必要
  • 借り入れに連帯保証人がついている場合は、連帯保証人に影響が及ぶ
  • 任意整理を一度行った会社からは、借り入れができない(自社ブラック)
  • 個人で交渉しても相手にしてもらえない場合が多く、弁護士・司法書士への依頼が必要
  • 借り入れで担保を差し入れている場合は、担保を処分される可能性がある

任意整理については、他の債務整理方法(自己破産、個人再生)に比べ、比較的穏やかな債務整理の方法です。

自己破産や個人再生手続きのように、官報に掲載されることもありません。

しかし、任意整理にもデメリットは存在します。

1.債務の圧縮幅に限界がある(特に過払いがない場合)

任意整理は、裁判所を通すことなく、あくまで借り手側と貸し手側の金融業者で話し合い、任意で今後の返済計画を決めるものです。任意整理をする際は、それぞれの貸金業者などの債権者から、取引開始時~現在までの取引履歴を取り寄せ、現在の利息制限法に引き直して計算します。

2010年6月以前から消費者金融などと取引があった場合、以前は金利29.2%などというのもざらでしたので、過払い分も含めた債務の圧縮や、場合によっては過払い金により、返しすぎていたお金がかえってくることが期待できます。

一方、利息が現在の利息制限法になった2010年6月以降にはじめて金融業者と取引を開始した方は、今後の利息とこれまでの遅延損害金はカットできるものの、返済額全体の大きなカットはあまり期待できません。

そのため、2010年6月以前から借りて返して・・・を繰り返していた方にとっては、任意整理は一つの有効な手段ですが、それ以降に借り入れを行った人については、債務を減らす幅に限界があるため、個人再生、自己破産など他の手法も視野に入れる必要があります。

特に個人再生の場合、仙台地方裁判所のサイトによると、住宅ローンを除く個人再生の3~5年での返済総額は、最低下記の通りとなります。

【引用】

およその目安として,借金などの総額(住宅ローンを除く)に応じて、借金などの総額が

100万円未満の人・・・・・・総額全部

100万円以上500万円以下の人・・・・・・100万円

500万円を超え1500万円以下の人・・・・・・総額の5分の1

1500万円を超え3000万円以下の人・・・・・・300万円

3000万円を超え5000万円以下の人・・・・・・総額の10分の1

となり、利息、遅延損害金だけでなく元本も含めた大幅なカットが期待できます。

ただし、財産額が大きい場合は返済額もそれに応じて増えます。

実際にどれくらいの返済額となるかは、債務整理に強い弁護士・司法書士に相談、依頼し計算してもらうのが確実です。

2.事業者と個別に交渉するため、応じない事業者が出る可能性もあり、最近は特に厳しい

任意整理については、裁判所を通さない任意の話し合いであると述べました。これが自己破産、個人再生手続きの場合であれば、裁判所を通すため、強制力があります。

一方、任意整理はあくまで債権者と債務者(及び債務者側の代理人弁護士・司法書士)の任意での話し合いなので、強制力はありません。

これは、裁判所を通さない分精神的、事務的負担が軽い反面、業者側としても、「うちも応じるような余裕はないから、話し合いには応じないよ」といわれてしまえば、それ以上の交渉はできないというデメリットがあるのです。

任意整理の話し合い自体に応じる業者は多いですが、もし個人で交渉しようとするなら、金利の扱いや返済期間の交渉と、本人の収支など、業者側を納得させるだけの根拠が必要ですので、弁護士、司法書士に依頼したときと比べ個人にかかる負担は莫大です。

また、日本保証など一部の保証会社や、日本学生支援機構(旧日本育英会)のように、任意整理に応じない姿勢の団体もありますので、任意整理に関してノウハウを持つ弁護士・司法書士に相談することが重要です。

3.任意整理手続申立は、信用情報機関に掲載される(ブラックリスト)

任意整理の手続きを申し出たこと(弁護士・司法書士による債務整理の受任通知も含む)や、任意整理を開始したことは、会社が加盟する信用情報機関(全国銀行協会、シー・アイーシー、日本信用情報機構)に登録されます。

任意整理手続きが成立する、しない以前に、任意整理手続きを申し立てれば、その申立情報が登録され、いわゆるブラックリストに載ったかのような扱いとなります。

信用情報機関3社で、債務整理など重大な手続きの情報が共有される「CRIN」というシステムが存在するため、債務整理などの情報も共有されます。

そのため、債務整理を行うと、完済後最低5年からそれ以上、各種借り入れ、ローン、分割、10万円以上の信用情報機関を通す携帯の割賦などがまずできなくなると考えておいてください。

自己破産や個人再生のように官報に住所、氏名が掲載されることはありませんが、信用情報機関には、債務整理を届け出た時点で、その事実が記載されますので、その点は心得る必要があります。

4.返済義務者・家族に安定した収入がある見込みが必要

任意整理の場合、利息の減免、支払い金額のカットを行っても3年~5年で支払い切れる見込みがないといけません。

当然本人や家族に安定した収入があることが前提で、「月の収入はこれくらいで、支出はこれくらいなので、任意整理ができれば払っていけます」という根拠が示せないといけません。

任意整理を考える場合、他の業者の支払いがあることも多いため、

  • 他の業者との取引状況や支払額、残債務は?
  • 申立人の収入は、今後も安定して得られるものか?

という点も大切なポイントとなります。

これを、百戦錬磨の貸金業者・債権回収業者と債務者個人が交渉するのはとてもハードルが高いです。

それゆえに、任意整理に強く、また過払い金交渉・自己破産・個人再生など債務整理に通じた弁護士・司法書士のサポートは不可欠です。

5.借り入れに連帯保証人がついている場合は、連帯保証人に影響が及ぶ

これは個人再生、自己破産など他の債務整理方法でも同様ですが、借入時に連帯保証人がついている場合は、連帯保証人がついている借り入れに対し任意整理の手続きを申し立てると、連帯保証人の方に一括請求等の要請がなされるおそれがあります。

ただし、任意整理であれば、保証人がついている借り入れ案件を債務整理の対象から外すことで、連帯保証人に迷惑が及ばないようにすることもできます。

額が大きい場合は、連帯保証人に事前に連絡し、共同で債務整理を行う(連帯保証人の方にも債務整理の情報が信用情報機関に登録される多大な迷惑がかかります)などせざるを得ない場合もあります。

いずれにせよ、連帯保証人がついている借り入れがある場合は、特に慎重に、弁護士・司法書士のアドバイスを得ながら手続きをすすめることをおすすめします。

6.任意整理を一度行った会社からは、借り入れができない(自社ブラック)

信用情報機関の任意整理の記録は、5年など一定期間を過ぎると消去されますが、任意整理を行ったことに関しては社内の記録として半永久的に残る可能性が高く、そのため今後の借り入れもできなくなると考えておいてください。

消費者金融会社はもちろんですが、信販会社の分割、銀行の住宅、自動車ローンなども利用できなくなるなど、任意整理を申し出た会社との取引は、今後ほぼできなくなることを念頭に置いてください。

7.個人で交渉しても相手にしてもらえない場合が多く、基本的に弁護士・司法書士への依頼が必要

任意整理を個人で行うことは、一応不可能ではありません。

しかし、個人で貸金業者などの債権者などと交渉しようとすると、軽視されたり、対応してもらえない場合も少なくありません。

任意整理を行う上で、取引開始時からの取引履歴を集める作業は必須です。しかし、個人で取引履歴を請求すると、対応してもらえなかったのに、弁護士・司法書士を通すと対応してもらえた・・・というケースもあります。

また、個人で交渉すると、返済ができる根拠の説明、どれくらいで支払うかなどを自分で計算しないといけません。

そのうえ、あらゆる連絡を平日に自分の時間を使って行わなければならないため、非常にエネルギーを使います。

特にフルタイムで働いている人にとっては、平日仕事の合間の時間を使って債権者と直接交渉するのは、時間面での負担が大きいでしょう。

また、債権者の側から、あまり気分の良くないことを言われる可能性もあります。債権者側も、法律の問題があるので、激しい罵倒や脅迫的なことを言われることこそないにしても、相手に対し脅迫や名誉毀損ととられないよう、ちくちくと嫌みをいう債権者もいるかもしれません。

もともと債務整理を考えるくらい借り入れを抱えている人は、精神的に大きなストレスを受けています。

そんな中で債権者側からちくちく、ネチネチと嫌みをいわれたら、気分が良くないですよね。

その点も含め、借り入れで複数の業者と渡り合い、あれこれ言われるくらいなら、債務整理に強く、かつ親身になってくれ、今後の立ち直りについて思いやりをもって考えてくれる弁護士・司法書士にに依頼した方が、ずっと気持ちの面で楽です。

そして、債務整理に強く、ノウハウのある弁護士・司法書士であれば、任意整理で債務の軽減が難しかったり、弁護士・司法書士費用倒れになるおそれがある場合はきちんと示してくれて、他の解決策を提案してくれます。

また、任意整理以外に適した方法があったとしても、個人で調べるのには限界がありますので、やはり債務整理のノウハウを持つ弁護士・司法書士に依頼することが、費用はかかっても、最善の結果にたどり着くための確実な方法です。

8.借り入れで担保を差し入れている場合は、担保を処分される可能性がある

意外と見落とされがちな任意整理のデメリットです。

任意整理を行う借り入れで、担保を差し入れている場合は、担保となっている土地家屋を競売にかけられたり、自動車(自動車ローンを組んでいる場合は、自動車の名義人が自動車会社系列の信販会社であったり、マイカーローンの借入先である場合がほとんどです)を引き上げられる可能性が極めて高いです。

例えば、マイカーローンの場合、車検証を調べてみてください。所有者の名義が、あなたの名前ではなく、信販会社や自動車会社系列の会社、ディーラーとなっている場合は、車の所有者はあなたではないということです。

このような債務の場合でも、任意整理の対象から外せばよいのですが、住宅ローンや自動車ローンのように額が大きい債務があり債務整理を考えている場合、そもそも任意整理という選択肢が本当に適切なのかどうかは、自身で考えるよりも、債務整理のノウハウを有する弁護士・司法書士に相談した方が、客観的な立場で最善の解決策を提案してくれる可能性が高いです。

このように、任意整理は、他の債務整理方法に比べ、ハードルが低く自分でもできるように思われがちですが、デメリットも多くあります。

また、自分だけで考えていても、その間も利息(場合によっては遅延損害金)は増えますし、返済日も迫ってきます。

あせればあせるほど、時間と金利の泥沼にはまっていくばかりです。

それゆえに、自分だけで借金問題を解決しようというのは、おすすめできません。

結局は債務整理全体の視点から考えてくれる弁護士、司法書士に相談、依頼した方が、ただ単に任意整理という枠だけで考えるよりも、より債務整理を考える人の利益になる提案をしてくれる可能性が高いです。

ぜひ、任意整理の8つのデメリットについておさえておき、弁護士・司法書士に相談するなど専門家の力を借りて、最善の方法を選択してください。

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