過払い金って何?過払い金返還請求をするとなんでお金が戻ってくるの?過払い金の疑問徹底解説

債務整理と同時に行われるのが過払い金の返還請求です。そもそも、なぜ過払い金が発生するのか、そして過払い金返還請求をすることでどのようなメリットがあるのでしょうか。今回は過払い金が発生する理由と過払い金返還請求をするメリットについて紹介をしていきます。

過払い金とは?

過払い金とは、カードローン(キャッシング)などで、貸金業者やクレジットカード会社に支払いすぎてしまった利息のことです。

利息を支払うとはどういうことかといいますと、お金を借りるときには利息というものが発生します。しかし、この利息を無制限にとってしまっては破産をしてしまう人が大勢出てしまうので、「利息制限法」という法律にてとっていい利息のパーセンテージを決めています。

利息制限法では、

  • 元本が10万円未満のとき:利息は年20%まで
  • 元本が10万円以上から100万円未満のとき:利息は年18%まで
  • 元本が100万円以上のとき:利息は年15%まで

と定めています。

実際、お金を借りる人は元本が10万円以上100万円未満でお金を借りるというのが一般的ですから、その場合、利息は年18%までと制限されています。しかし、一般の債務者の方は利息制限法という法律を知らず、場合によっては自分が年利何%でお金を借りているのかもわからないという状態です。

ちなみに、カードローン(キャッシング)などでは、「4.4%~18%」といった表示があります。これは4.4%が下限金利で18%が上限金利と呼ばれるものです。

多くの人は下限利息のみをみてお金を借りるはずです。しかし、下限金利をみて利息が安いと判断してしまいますが、実際に発生する利息は上限金利の方であり、4.4%の利息で借りていると思ったらそれ以上の利息だったというケースも、貸金業界に詳しくなければ多々あります。

このように利息制限法などに無知な債務者へうまくつけこみ、貸金業者は、法改正前は債務者に対して年29.2%という高金利でお金を貸すことが多かったのです。

この年29.2%というものは「出資法」と呼ばれるものの上限金利です。出資法の上限金利である29.2%さえ越えなければ、刑事罰を受けませんでした。

そのため、貸金業者などからお金を借りた債務者は本来年18%の利息しか払わなくてよかったのにも関わらず、年29.2%の利息を支払っていたことになります。

過払い金の発生のメカニズム

利息制限法の18%であれば完済して元本が0円になっているはずなのに、年29.2%の利息で返済を続ければ、当然ですが利息制限法の18%で返済をしたときよりも、11.2%分多く返済をしています。

この11.2%が、取り戻すことのできる過払い金です。

過払い金は増加する

年18%で返済をし続ければ、すでに完済をしているのに、年29.2%の金利で支払を続ければ、借金が完済するまでに時間がかかります。余計に多く支払っているのですから。結果として、完済をするまでに雪だるま式に過払い金は増加をしていきます。

ある過払い金の発生者の場合、950万円の巨額な過払い金となったケースもあります。

グレーゾーン金利について

出資法と利息制限法の間の領域、年18%~年29.2%をグレーゾーン(グレーゾーン金利)と呼んでいました。出資法の上限29.2%を超えた場合に課せられる罰則は、5年以下の懲役または1000万円以下の罰金でしたが、出資法の上限金利さえ越えなければ、その他の罰則はありませんでした。

つまり、グレーゾーン金利(年18%~年29.2%)とは、民事上は違法なのですが刑事罰がない灰色の金利だったのです。そのため、債務者は余計に11.2%の金利を貸金業者へ払い続けていたわけです。

出資法の上限金利が20%まで引き下げられ、グレーゾーン金利は平成22年6月に撤廃されています。年18%~20%の間(10万円以上100万円未満の場合)でグレーゾーン金利の要領で違法に利息を取ると行政処分の対象になります。

多くの貸金業者は、このグレーゾーン金利を利用して利息制限法の上限を超えた利息を違法にとり続けていました。そして、過払い金返還請求とは、債務者が余計に支払っていた11.2%を貸金業者などへ請求して返還をしてもらうことです。

過払い金が発生している可能性が高い期間や対象者について

借入の状況や毎月の返済額により異なるので、何年間取引をしていれば過払い金が発生するのか明確な基準というものはありません。しかし、5年以上貸金業者と取引をしている方の約半数の方に過払い金は発生する可能性があります。

また、2007年くらいまで多くの貸金業者やカード会社がグレーゾーン金利を利用して違法に高い利息でお金を貸していた関係で、2008年12月以前に借金をしたことがあり、借金の完済から10年以内ならば、過払い金が発生している可能性が高いといえます。

極論を言ってしまえば、過払い金の対象者は、平成22年以前に1度でもクレジットカード・消費者金融業者・銀行カードローンでキャッシングを利用した人すべてが対象であるともいえます。

過払い金の対象者は約500万人、総額にして10兆円の過払い金があるとされています。

思い当たる節があったら、過払い金の返還請求の対象者なのか調べてみるといいでしょう。なお、平成21年以降は利率が利息制限法内の利率に下がっているケースもあります。明細が残っていたとしても、時期については注意をした方がいいでしょう。過去の取引を把握したいという方は、業者から取引履歴の開示などを行うこともできます。

これらの開示請求を自分でするのが面倒くさいという場合、弁護士や司法書士に依頼するといいでしょう。

過払い金の返還額

以前は、過払い金返還請求ブームであり、それで倒産してしまった貸金業者もいくつかあります。また、過払い金返還請求ブームのせいで貸金業者の資金面での体力も低下してしまっています。

この過払い金の返還請求ブームも終了に向かっており、過払い金の返還請求の対象者も減少しています。しかし、ブームといっても過払い金の返還請求をする人は少数派であり、実際に100万円以上の過払い金が発生しているケースもあります。

そして、過払い金の平均返還額は1人あたり約82万円だそうです。

過払い金の時効

過払い金のテレビコマーシャルでは、過払い金は10年で時効を迎えます。この時効についてですが、完済して貸金業者と取引が完全に終了した時点から10年間が時効となります。

最後に取引をした日から10年経過してしまうと時効を迎えてしまうので、過払い金の返還請求は難しくなります。しかしながら、継続して貸金業者と取引を続けている場合は、取引が終了したとみなされませんので10年が経過していても、過払い金請求ができる可能性があります。

ただ、何にせよ、10年という過払い金請求の期限と時効消滅がある以上、思い当たる節があるのであれば、一度調査をしてみるのもいいでしょう。

法律事務所も過払い金の調査までは無料で行っているところが多くなりますので、気になるのであれば調査だけしても損はないでしょう。

過払い金が発生している可能性のある、貸金業者・カード会社一覧

武富士アプラス(アプラスパーソナルローン・全日信販・AJカード)ゼロファースト
アコムセディナ(セントラルファイナンス・クオークOMCカード・朝日クレジット・ダイエーファイナンス・さくらカード)ジャックスカード
アイフルイオンカードセゾンカード(セゾンファンディックス)
レイクビューカードオリコカード
プロミスポケットカードアメリカンエキスプレス(アメックス)
ノーローン(シンキ)ニコスカード(三菱UFJニコス)JCBカード
ポエットバンク(マイカルカード・エージーカード・三洋信販・さくらローンパートナー)ライフカードNISカード(ニッシン・ビッグアップル・オリエント信販・ネットカード)
栄光(栄幸)クロスシード(ロイヤル信販・萌えローン・ネオラインキャピタル・かざかファイナンス・ライブドアクレジット・ワイド・ティーシーエム・パスキー・アペンタクル)富士クレジット
ギルド(スマイル・トライト・ヴァラモス・ハッピークレジット)DFS(アップル・ドリームユース)日本ファンド
ニッセンレンエスコート(日専連・ニッセンレンライフ・エスコートカード)ユアーズプラム
RHインシグノ(マルプラザ・アース・さくらパートナー)リラエンタープライズ(ユニバーサルウェルネス)ブライメックスキャピタル(キャスコ)

過払い金の引き直し計算についてここで挙げている業者以外にも借りた業者がある場合、弁護士や司法書士へ相談してみるといいでしょう。

過払い金返還請求をする際に、過払い金の引き直し計算というものをしなければいけません。

弁護士や司法書士に任せておけば引き直し計算をしてくれます。

自動で計算をしてくれるサイト(10秒で分かる!過払い計算機)もありますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

計算機を使って自分で計算をしてはじき出すことも可能ですが、非常に面倒臭いのであまりおすすめはしません。

たとえば、1万円の借入をして1年後に1万円の返済をした場合には、業者の計算では2900円の利息が付き(出資法は年29%)、7100円の元本だけが減るとします。このときに、弁護士が引き直し計算をすると、1800円が利息に充当されます(利息制限法は年18%)。つまり、8200円の元本が減るという計算になります。この場合では、1100円だけ多く元本が減るのです。

このような計算を1つ1つの弁済について再計算をしていくと、残りの元本額が非常に大きくなってきます。

この差額は、借金の額が多いほど返済額が多いほど、返済期間が長いほど、大きくなります。

過払い金返還請求の流れ

過払い金請求の流れとしてアディール法律相談事務所では、

  • 任意での返還交渉
  • 訴訟による交渉

この2つの方法があります。

任意での交渉の場合

1.受任

過払い金返還請求手続きを受任した旨を記載した「受任通知(介入通知)」を各貸金業者へ発送します。

依頼時に債務が残っていた場合、この通知によって返済・取立をストップさせることができます。受任通知を発送することができるのは、弁護士・司法書士・裁判所であり、過払い金の返還請求をしますと個人で発送しても、法的な効果はなく、返済・取立はストップさせることはできません。

2.利息制限法にもとづく法定金利への引き直し計算

貸金業者から開示された取引履歴をもとに法定金利(15%~20%)に引き直し計算を行い、過払い金の返還金額を算出します。貸金業者から取引履歴が開示されるまでには、受任から1~3ヶ月程度かかります。

3.貸金業者への返還請求

法律相談事務所から過払い金返還請求書を発送します。

4.貸金業者との返還交渉

弁護士が電話や書面にて返還交渉(金額・返還日など)を行います。返還に応じない場合は、裁判所へ訴訟を提起します。

5.合意書の取り交わし

貸金業者が返還に応じた場合、双方で合意書を取り交わします。

6.過払い金の返還

返還日までに入金がされるように、法律相談事務所が監視を行います。

訴訟による交渉の場合

1.訴訟提起

訴状・書証(証拠)などを作成し、収入印紙・郵便県と一緒に裁判所へ提出します。

2.第1回口頭弁論期日まで

裁判所から賃金業者(被告)に訴状が郵送されます。また、第1回口頭弁論期日が決まります。なお、第1回口頭弁論期日の前に被告から答弁書が届きます。

3.第1回口頭弁論期日以降

第1回口頭弁論期日の訴状の提出から約1ヶ月後です。その後、1ヵ月において主張や反論を繰り返します。ある程度の主張や反論がされると、裁判所は和解勧告をします。

4.和解交渉

被告もしくは原告から和解案を提示して、交渉を行います。

5.判決・控訴上の和解/訴訟外での和解

和解交渉がまとまれば、訴訟上あるいは訴訟外で和解をします。まとまらなければ、裁判所は判決を言い渡します。

6.過払い金の返還

和解の場合、返還日までにきちんと入金がされるように監視を行います。

また、判決の場合は、判決に基づく金額の入金を行うよう督促します。

貸金業者が支払いに応じない場合は、強制執行の手続きを始める必要があります。

過払い金返還請求をするメリット

過払い金の返還請求をするメリットはどのようなものか、紹介していきます。

払いすぎた利息が戻ってくる

過払い金は、払いすぎたお金であり貸金業者に対して発生している債権となります。

過払い金が発生しているのであれば、貸金業者に対して、それだけの債権を所有していることと同じことです。そして、過払い金返還請求をするということは、法的に認められている債権の回収手段になります。

任意で交渉をすることができるので負担が軽い

過払い金返還請求は、裁判所を間に挟むこともできますが、基本的には任意での交渉になります。そのため、個人でも交渉をすることができますが、過払い金返還請求のせいで倒産に追い込まれた貸金業者が多く存在していますので、プロの弁護士や司法書士などに任せて、過払い金返還請求交渉を代行してもらうのがベストな手段であり、もっとも確実に過払い金が返還されます。

仮に個人で行った場合、専門が代行するよりも返還される過払い金額の割合が低くなります。また、日常的に交渉のために時間を空ける必要もありますので、手続きをする上では個人で行う場合、時間と労力が非常にかかってしまうのです。

concierge
そのため、法律相談事務所へ依頼をすれば、過払い金返還請求書の郵送から実際の交渉まで弁護士や司法書士に委任することができますので、個人で過払い金返還請求書をするよりも時間と労力の節約になり、負担が軽くなります。

訴訟を提起すれば、高額な過払い金返還請求を期待することができる

高額な過払い金返還を望む場合、訴訟を行うという手段があります。訴訟提起の知らせが貸金業者に郵送されると、裁判まで交渉が持ち越しになりますので、それを嫌がる貸金業者が多くなります。そのため、初回交渉のときと比べて高額な過払い金返還を期待することが可能です。

高額な過払い金返還の場合は任意よりも、訴訟の方が確実でいいでしょう。また、満額の過払い金返還請求をしたい場合は、裁判の判決を得る方がよくなります。

過払い金返還請求の裁判が進むと争点がない限り、満額の過払い金に過払い金に発生している利息5%をプラスした金額を返還する旨の判決を得ることができます。

また、判決が下ると「債務名義」という公的に債権を主張するための証書を取得することができるので、貸金業者が支払いに応じない場合、債権名義を使い強制執行を行い強制的に返還させることも可能です。

過払い金返還請求のデメリット

メリットがあれば、必ずデメリットが存在します。過払い金返還請求のデメリットとはどのようなものでしょうか。

過払い金が満額返還されない場合がある

発生している過払い金に対して全額の過払い金が返還されるわけではありません。交渉をする貸金業者などの経営状態から1回目の交渉において返還される金額は、過払い金全額の70~80%程度です。

現在もお金を借りている場合

現在進行形でお金を借りている場合、借入残高が過払い金の全額を上回っているときは、過払い金分の金額を返済したもとのとして、借金の元本を圧縮する、任意整理の交渉に切り替わります。

そして、これは債務整理の任意整理に分類されますので、信用情報機関では金融事故として扱われます。特に貸金業者が加盟するJICCでは任意整理をおこなった記録は5年間ほど登録されますので、5年間は他の貸金業者から借り入れをすることができなくなります。

ちなみに、過払い金の返還請求のみであれば、信用情報機関のブラックリストには載りません。以前は載ったのですが、現在は過払い金の返還請求をしただけでは、信用情報機関のブラックリストに載せてはいけないと金融庁から通達が出ています。

つまり、

  • 「過払い金>借入残高」の場合なら問題はない
  • 「過払い金<借入残高」の場合は任意整理となり、ブラックリストに載る

まとめ

過払い金の返還請求をしなければ、元本が0円の状態なのに貸金業者へお金を返済している(貸している)状態になり、過払い金は雪だるま式に増えていきます。

過払い金は、出資法と利息制限法の二重基準から生じたグレーゾーン金利によって発生していましたが、平成22年6月に完全に廃止されました。廃止されましたが過払い金の事実は消えませんので過払い金返還請求をしてみると過払い金があるかもしれません。

concierge
ただし、優良な貸金業者であっても過払い金の全額返済を引き出すというのは難しく、特に過払い金返還請求でつぶれた貸金業者も多く存在するので、一般人が一人で交渉をすると大きく値切られてしまう可能性がありますので、専門家である弁護士や司法書士に依頼をして過払い金返還請求をするのがいいでしょう。

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