債務整理を進めるうえで欠かすことのできない費用・弁護士費用から裁判所費用までを徹底解説

concierge
一人で債務整理をすることは困難を極めあまり合理的な方法ではありません。

そのため、確実に弁護士費用がかかります。では、弁護士費用以外に債務整理をする際にかかる費用というのは、どのくらいでしょうか? 今回は弁護士・司法書士費用以外に、債務整理をする過程で発生するのか費用を紹介します。

弁護士・司法書士費用を集めただけでは、債務整理が進まないケースもありますので注意しましょう。

債務整理と費用

債務整理にかかる費用というのは、

  • 裁判所に支払う費用+実費
  • 弁護士・司法書士に支払う費用

この2つに大別することができます。

債務整理の種類

債務整理とは、

  1. 任意整理
  2. 民事再生(個人再生)
  3. 自己破産
  4. 特定調停

この4種類です。

近年では過払い金返還請求も債務整理の1つとして数えられていますが、債務整理とは少し異なりますので、債務整理は上記の4つです。

concierge
4種類の債務整理の中で、任意整理以外は裁判所へ支払う費用が発生します。

弁護士・司法書士に支払う費用は本当に必要なのか?

woman
債務整理にかかる費用の1つである『弁護士・司法書士に支払う費用』は、本当に必要なのでしょうか?

高額な弁護士・司法書士へ支払う費用を見るとこのように考えてしまうのは当然でしょう。

concierge
債務整理については、債務者が一人で手続きを行うことは可能です。しかし、債務整理に成功するのかという点を考えてみると、弁護士・司法書士へ依頼したときよりも失敗する可能性が高くなります。

任意整理の失敗

任意整理ですが、これは債権者(金融機関)と交渉をして利息のカット、債務の減額などを要求します。

concierge
債権者は債務整理に対しての知識を持ったプロですから、一般人がネットや本で付けた付け焼刃の知識では太刀打ちはできません。
債権者も依然のような資金力が無いのが現状です。大手の消費者金融業者が倒産をしてしまう時代です。そのため、丸め込めるのであれば、債務者をうまく丸め込んで利益を上げたいと考えています。そもそも、任意整理の話し合いに応じる義務が債権者にはありません。

特定調停の失敗

特定調停は、簡易裁判所で行われ、専任された調停委員が仲介をします。そのため、特定調停の場合、弁護士・司法書士を依頼する必要はありません。

しかし、専任された調停委員が必ずしも債務整理のプロというわけではないのです。そのため、債権者有利の条件で調停が進むケースが珍しくありません。

民事再生(個人再生)の失敗

民事再生(個人再生)については、手続きが煩雑すぎるうえ、再生計画案などを法律の要件を満たしたうえで期限内に提出する必要があります。仮に期限を過ぎてしまったらすべてが無駄になります。

また、裁判所のサポートを受けて書類作成をすることもできませんので、債務者が独力で民事再生(個人再生)を行うのは非現実的であり、非常に困難です。

自己破産の失敗

自己破産ですが、一切財産がない同時廃止事件の場合、弁護士・司法書士を雇わなくても書類作成さえ間違わずにおこなうことができれば、債務者一人でできます。

しかし、管財事件になった場合は債務者一人でおこなうことは不可能です。また、少額管財事件というものがありますが、これは弁護士が代理人を務めていなければ利用すらできません。

concierge
このことから、確実に債務整理を成功させたいと考えた場合、債務者の独力では損が出る可能性が否定できません。保証人になっている親族や友人とのトラブルに発展する可能性もあります。弁護士・司法書士へ依頼をするのがベターな手段です。

弁護士・司法書士の費用について

弁護士費用はマジで高い!多重債務でも債務整理で敏腕弁護士を利用できる2つの理由

債務整理時に裁判所に支払う費用について

債務整理をする場合、裁判所を利用して、債務整理の手続きを進めていきます。

そのため、債務者は裁判所へ納める「予納金」の準備が必要です。

この予納金ですが、原則として現金一括前払いになります。現金一括前払いをすることができなければ、裁判所を利用する債務整理の手続きは、先へ進まなくなります。

任意整理で裁判所に支払う費用

任意整理は裁判所を利用しません。

弁護士・司法書士費用のみです。

民事再生(個人再生)で裁判所に支払う費用

民事再生(個人再生)を行う場合、裁判所へ納める費用は下記の図の通りです。

項目費用
申立手数料(収入印紙代)1万円
予納金(個人再生委員が選任される場合)31万1928円
予納金(個人再生委員が選任されない場合)1万1928円
郵便切手代金1040円
郵便切手代金82円切手×3枚
郵便切手代金90円切手×債権者数×2組

予納金の内訳は、

  • 個人再生委員が選任された場合:個人再生委員の報酬+官報公告費用
  • 個人再生委員が選任されない場合:官報公告費用

このようになります。

なお、個人再生委員の選任が必要か不必要かは、裁判所の判断にゆだねられます。たとえば、札幌地裁では弁護士に代理人を依頼していない場合、原則として個人再生委員を専任します。ただ、一般的に弁護士に依頼をしていない場合、専任されるケースが多くなります。

また、郵便切手代金の1040円については、弁護士が代理人として申立をする場合不要になります。

個人再生委員とは弁護士ですが、申立人の代理ではなく、公平・中立の立場から、申立人の面接・収入・財産の状況調査・確認を行い、債権評価の補助、申立人の再生計画案の作成時に助言を行います。また、再生手続きを進行させるべきではないのであれば、裁判所にその旨を報告する義務を持っています。

concierge
つまり、個人的に雇う弁護士とは異なり、債務者の利益のために動くわけではありません。助言程度のサポートしかしてくれないのです。弁護士を雇っておき、個人再生委員の選任を避けるというのがベターな方法といえます。

司法書士には民事再生(個人再生)の代理権がありませんので、司法書士に依頼をした場合、個人再生委員が選任され予納金で損をする可能性があります。

自己破産で裁判所に支払う費用

自己破産をする場合、裁判所に支払う費用は3通りあります。

  • 同時廃止事件
  • 管財事件
  • 少額管財事件

同時廃止事件がもっとも裁判所へ支払う費用は安く、管財事件がもっとも高くなります。

また、郵便切手代金については各地方裁判所ごとに異なります。今回は、東京地方裁判所立川支部で必要な郵便切手代金を参考に記述しています。

同時廃止事件

東京地裁の場合は、下記の表の通りになります。

項目(同時廃止事件)費用
申立手数料(収入印紙代)1500円
郵便切手代金4110円
破産予納金(官報広告料)1万円~1万5000円

予納金が1万円~15,000円になっていますが、東京地裁の場合、弁護士に代理人を依頼していると「即日面接」というものが行われます。

破産手続開始決定が下されるには、申立をおこなってから1ヶ月ほどの期間を必要です。しかし、弁護士が代理人を務めていることで、申立を行ったその日に破産手続開始決定が下されます。これが即日面接です。

その場合の破産予納金が、10,290円となります。それ以外の場合は15,000円です。

管財事件

管財事件は、破産管財人が選任されますので、その関係から予納金の額が高額になっています。

項目(管財事件)費用
申立手数料(収入印紙代)1500円
郵便切手代金4000円
予納金下記の表を参考のこと

引用:破産・免責申立手続事件の郵券・予納金・収入印紙一覧表

予納金は個人債務者申立になり、債務総額が5000万円未満が一般的なので、50万円を一括で裁判所へ納める必要があります。

破産管財人は、個人再生委員と同じように弁護士の中から選任されますので、彼らの報酬金額が予納金の額を高額にする原因となっています。ただ、破産管財人のような仕事をすすんで受ける弁護士というのは少なく、報酬を出さなければならないので予納金の中に報酬が含まれているわけです。

少額管財事件

管財事件のデメリットを解決するために開発されたのが、少額管財事件です。少額管財事件の費用は下記の通りです。

項目(少額管財事件)費用
申立手数料(収入印紙代)1500円
郵便切手代金4000円
予納金最低20万円~

少額管財事件を利用するためには、弁護士が代理人を務めている必要があります。司法書士は、自己破産の代理人になる権利を持っていません。

また、すべての地方裁判所が少額管財事件を取り扱っているわけではありません。以前は東京地裁のみでしたが、近年では、札幌地裁、名古屋地裁など全国で多数の裁判所が取り扱うよになりました。
concierge

ただ、本庁と支部とでは少額管財事件の運用が異なる場合もありますので、代理人になる弁護士や裁判所へ問い合わせるのがいいでしょう。

財産があり、安く、早く自己破産を済ませたい場合は、少額管財事件を利用するとメリットがあります。

特定調停で裁判所に支払う費用

特定調停は、簡易裁判所で行われますが、今回は東京簡易裁判所を例にしてかかる費用を紹介します。

項目費用
申立手数料(収入印紙代)500円
郵便切手代金1200円+(250×債権者数)

過払い金の返還請求で裁判所に支払う費用

過払い金の返還請求は任意整理の延長線上で行われますので、裁判所を利用しません。

そのため、裁判所に納める費用はありません。

任意整理と似ている特定調停ですが、こちらは過払い金の返金はされませんので、別途「過払い金返還請求訴訟」をおこなう必要があります。ただ、個人で裁判を起こすのは難しいので、弁護士を雇う必要があるでしょう。

弁護士を雇う必要のないのが特定調停のメリットの1つです。それが意味をなさなくなってしまいます。

債務整理時に弁護士・司法書士へ支払う費用

弁護士・司法書士へ支払う費用についてですが、

  1. 相談料
  2. 着手金
  3. 成功報酬
  4. 減額報酬金

この4点があります。

減額報酬金については、任意整理・過払い金返還請求に成功して、過払い金が戻ってきたときに発生する成功報酬の1つです。

相談料

相談料については、無料としている場所が多くなります。とはいいましても、初回無料、電話相談のみ無料、メール相談のみ無料としているケースが一般的です。

concierge

法テラスでも、同じ相談は3回までとなっています。

着手金

着手金は、弁護士が依頼を受けたときに受け取る費用です。

たとえば、民事再生(個人再生)に失敗したとしても、着手金が戻ってくるということはありません。もちろん、割引などもありません。

100%弁護士の報酬となるのが着手金です

成功報酬

任意整理や民事再生(個人再生)に成功した場合に発生する費用です。

日本弁護士連合会では「債務整理事件処理の規律を定める規程」を定めており、成功報酬については、原則として1社あたり2万円以下までと定められています。着手金が高い場合は、成功報酬がないとみるべきでしょう。

減額報酬

日本司法書士会連合会は、「債務整理事件における報酬に関する指針」を制定しており、任意整理の事件を受けた場合、定額報酬として債権者1人あたり5万円を超える額の請求をして、受け取ってはならないと決めています。

また、弁護士の場合、減額報酬が発生するときは、任意整理では上限10%と定められています。

任意整理の際に、弁護士・司法書士へ支払う費用

任意整理で弁護士・司法書士へ支払う費用の相場は次の通りです。

弁護士費用(アディーレ法律事務所の場合)

弁護士費用
着手金(1社あたり)4万3200円
減額報酬金減額または免除された金額に対し10.8%(税込)

司法書士費用(松谷司法書士事務所の場合)

司法書士費用
着手金(1社あたり)3万2400円
減額報酬金0円

このほかに通信費、移動費などの実費が発生します。

司法書士の方が安く利用することができますが、過払い金の総額が140万円を超えた場合は司法書士が取り扱える案件ではなくなり、弁護士しか扱えません。そのため、140万円以上の過払い金がある場合は、弁護士へ依頼するしかありません。

民事再生(個人再生)の際に、弁護士・司法書士へ支払う費用

concierge

民事再生(個人再生)は債権者が個人的に書類作成を期限内に行うことは極めて困難であるため、専門家へ依頼するのが一般的です。

弁護士費用(アディーレ法律事務所の場合)

弁護士費用
住宅ローン特別条項あり51万8400円
住宅ローン特別条項なし41万0400円

司法書士費用(松谷司法書士事務所の場合)

司法書士費用
住宅ローン特別条項あり35万
住宅ローン特別条項あり30万

住宅ローン特別条項とは、住宅ローンのみを残して他の借金を減額するというものです。住宅ローンを減額してしまうと、抵当権などにより住宅を競売にかけられ売却されてしまうのです。

そのため、住宅を残しつつ、その他の借金を減額したい場合は、住宅ローン特別条項ありを選択します。住宅ローン特別条項ありの場合、その分、手続きが煩雑になりますので、費用が高額になります。

また、前述してあるように別途、裁判所へ納める予納金(個人再生委員への報酬)などが発生します。

自己破産

自己破産には3種類あります。

つまり、同時廃止事件、管財事件、少額管財事件です。このうち、少額管財事件は弁護士のみしか取り扱うことができません。

弁護士費用(アディーレ法律事務所の場合)

弁護士費用
同時廃止事件29万1600円
管財事件41万0400円
少額管財事件41万0400円

司法書士費用(松谷司法書士事務所の場合)

司法書士費用
同時廃止事件(1社~5社)17万5000円
同時廃止事件(6社~10社)20万円
同時廃止事件(11社~15社)22万5000円
同時廃止事件(16社以上)25万円
管財事件30万円

この費用のほかに別途、裁判所へ納める予納金(破産管財人の報酬)などが、管財事件の場合50万円~がかかります。そのほかに、交通費、通信費などが実費で発生します。

司法書士の場合、書類作成のサポートをしてくれますが、自己破産が行われる地方裁判所において代理権の行使をすることができません。つまり、債務者の代わりに質疑応答をすることはできません。

自己破産の場合、免責不許可事由などにより借金が免責されないことがありますので、確実に自己破産をしなければまずいのであれば、弁護士への依頼が妥当なところです。

特に管財事件や少額管財事件は弁護士の方が優れています。

concierge
同時廃止事件についてのみ、司法書士へ依頼してもいいかもしれません。

特定調停の際に、弁護士・司法書士へ支払う費用

特定調停の場合、基本的に弁護士・司法書士へ依頼して行うケースは稀です。

弁護士・司法書士に依頼したのであれば、任意整理の方が、手続きが勘弁であり迅速にことを進めることができるので、特定調停のために弁護士・司法書士を雇うメリットはありません。

そのため、弁護士・司法書士へ支払う費用はありません。

過払い金の返還請求の際に、弁護士・司法書士へ支払う費用

過払金の返還請求をする場合も弁護士・司法書士に依頼するのが一般的です。

「借入期間が5年以上で金利が18%を超える方」は、過払い金が発生している可能性があります。

concierge
過払い金の返還請求は完済後であっても10年以内であれば可能です。最後の返済から10年経過していないのであれば、過払い金の時効は過ぎていませんので請求をすることができます。

また、完済後10年経過していても、継続して金融業者と取引をしている場合は請求することが可能かもしれません。個人で状況が異なりますので、相談をしてみるのがいいでしょう。

弁護士費用(アディーレ法律事務所の場合)

弁護士費用
着手金(1社あたり)4万3200円
過払い金報酬返還された金額に21.6%を乗じた額
過払い金報酬(訴訟)返還された金額に27%を乗じた額

司法書士費用(松谷司法書士事務所の場合)

司法書士費用
成功報酬(1社あたり)返還された額の21.6%

このようになります。

まとめ

債務整理といいますと、どうしても弁護士・司法書士の費用にのみ目が行きがちです。

しかし、

  • 民事再生(個人再生)
  • 自己破産
  • 特定調停

などは裁判所を利用しますので、裁判所へ支払う予納金および申立手数料などが実費でかかります。

そのほかにも、弁護士・司法書士の通信費や交通費といったものも考えなければなりません。

確かに債務整理の費用の中では、弁護士・司法書士の費用というのが大きなウエイトを占めてきますが、依頼をしても予納金を集めることができなければ、債務整理の手続きは進まないのです。

また、弁護士と司法書士を比べると、圧倒的に弁護士の方が高額な報酬を要求してきますが、それだけサポートが充実していると考えることができます。

過払い金返還にしても140万円以上の過払い金があれば、司法書士は弁護士にバトンタッチせざるをえません。簡易裁判所では代理権を行使することができますが、それ以上の地方裁判所では、司法書士は代理権を行使できないのです。

concierge
安易に値段で選ぶよりは、相談をして、どこまでサポートをしてくれるのか見極めて、決定する必要があるでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です