目次
- 1 6つの自己破産メリット、デメリットとは?
- 2 6つの自己破産のメリットとは?
- 3 一部の職業を除いては、自己破産したからといって仕事を辞めることになる必要はない
- 4 6つの自己破産のデメリットとは?
- 4.1 連帯保証人・保証人に迷惑をかける
- 4.2 自己破産しても、必ずしも免責(全ての借金を返さなくてよくなる)とは限らない
- 4.3 自己破産しても税金・罰金・損害賠償・子供の養育費など一部免責されないものもある
- 4.4 自己破産の場合、必要最小限の財産を残して、家、車などは処分しないといけない
- 4.5 免責がおりてから、5~10年間は様々な分割払いやローンの借り入れができなくなり、クレジットカードの作成もできなくなる
- 4.6 官報に掲載される、郵便物を破産管財人に確認される、手続き中は一部の職に就けない、原則移動・引越・海外渡航の制限がされ、必要な場合は裁判官の許可を受ける必要があるなど、 債務が0になる代わりにいろいろな制限を受ける
6つの自己破産メリット、デメリットとは?
自己破産についてこの記事ではわかりやすく説明します。
自己破産の6つのメリット
自己破産には、以下のようなメリットがあります。
- 免責(返さなくていいですよという裁判所の決定)が降りれば、これまでの債務が全てなくなる
- 債権者からの連絡・請求が一気に止まり、返済や債権者の督促というプレッシャーから 解放される
- 一部の職業を除いては、自己破産したからといって仕事を辞めることになる必要はない
- 生活するのに必要最小限の財産は残させてくれる
- 家族は連帯保証人などになっていない限り、返済義務や財産の取り上げ、家族の信用情報への影響などはないことが多い
- 浪費・ギャンブル・FXなど事情によっては、免責されないと一般的に言われているが、初めてのことでかつ反省の気持ちを示せば免責されるケースもある
一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 連帯保証人・保証人に迷惑をかける
- 自己破産しても、必ずしも免責されるとは限らない
- 自己破産しても税金・罰金・損害賠償・子供の養育費など一部免責されないものもある
- 必要最小限の財産を残して、家、車などは処分しないといけない
- 免責がおりてから、5~10年間は様々な分割払いやローンの借り入れができなくなる
- 官報に掲載される、郵便物を破産管財人に確認される、手続き中は一部の職に就けない、移動の制限がされる場合があるなど、債務が0になる代わりにいろいろな制限を受ける
それでは、具体的に自己破産のメリットとは何か、デメリットとは何かについて説明します。
6つの自己破産のメリットとは?
まずは自己破産のメリットについて説明します。
免責(返さなくていいですよという裁判所の決定)が降りれば、これまでの債務が全てなくなる
これは代表的な自己破産のメリットですね。
自己破産の手続きをはじめることによって、個人、法人、金融業者含め、全ての借入先に対し、「自分の財産をほとんど手放し、お金になるものはお金にしてお渡ししますから、残りの部分については返せません」と、債権者(貸し手側)に宣言をすることになります。
そうすると、後述の2でも触れますが、債務者(借り手側)お金になるもので大きな金額のものは全てお金に換えることになります。家や車、30万円以上の高級品は処分することになりますが、生活に必要な最小限のもの(パソコン、テレビ、エアコン、高価でない自転車など)と、99万円以下の現金は保有が許されます。
ただし、自己破産手続きを行ったからといって、100%借金がゼロになる(専門用語で「免責」といいます)わけではありません。
詳しくはのちほど述べますが、裁判所が「この人の借金をなしにしてあげてもいいよ!」という免責許可を出してはじめて、借金がゼロになります。
そのため、自己破産手続きを多く手がけている弁護士・司法書士に依頼することはとても重要です。
自己破産手続きを多く手がける弁護士・司法書士であれば、「普通だったら免責をもらいにくい状況だけど、このようにすれば免責の可能性が出てきますよ」というような、経験豊富だからこそできるアドバイスがあります。
また、自己破産手続きの審査は、裁判所によって若干の傾向の違いがありますので、裁判所の傾向に応じた対策も必要です。
自己破産を多く手がけている弁護士・司法書士事務所だからこそ、たくさんのノウハウ・事例を蓄積しており、自己破産に失敗しないための適切なアドバイスができるのです。
債権者からの連絡・請求が一気に止まり、債権者からの給与の差し押さえも止まることにより、返済や債権者の督促というプレッシャーから解放される
自己破産を考えている方の中には、債権者からの連絡がつらい、10日や27日などの引き落とし日の金策や、落ちなかったときのプレッシャーが怖い・・・など、様々な気持ちの負担を抱えている人が多いと思います。
ですが、弁護士・司法書士事務所を通して自己破産手続きを裁判所に提出するのと同時に、弁護士・司法書士事務所の方で債権者全てに対して連絡をしてくれますので、その時点で、弁護士・司法書士事務所が自己破産手続きの窓口となり、本人に対する債権者からの連絡はストップされます。
そのため、借金があり電話や督促の手紙、封書、時には訪問に怯える生活を送っていた人でも、弁護士・司法書士事務所を通して手続きを行えば、不思議なくらいにぴたっと連絡が止まります。
まれに、法律をよく知らない個人や、街金、ヤミ金業者がそれでも連絡してくる場合がありますが、これは断固として無視し、しつこい場合は弁護士・司法書士事務所、内容によっては警察や消費生活センターなど公的機関に相談してください。
というのは、自己破産手続きをする場合、「偏頗弁済の禁止」という原則があります。
難しい言葉ですが、「だれか特定の貸し手にだけ返してはいけないよ」という法律上のきまりがあるのです。
そのため、特定の貸し手だけに返済してしまうと、自己破産手続きのプロセスで、「特定の借り手だけに返している」ことが問題視される可能性があります。
なので、弁護士・司法書士の適正なアドバイスに従い、引き落としがある口座から現金を引き出すなど、一切の返済を止める必要があります。
このときも、弁護士・司法書士事務所の適切なタイミングでの指示、アドバイスが不可欠になります。そのため、失敗しないために弁護士・司法書士選びは重要です。
一部の職業を除いては、自己破産したからといって仕事を辞めることになる必要はない
これも、自己破産を考える方が心配されることの1つです。
しかし、一部の職業を除いては、自己破産をしたからといって、職業を辞める必要はありません。
ただし、弁護士・税理士などのいわゆる士業や、警備員、金融機関、保険会社などの役員など、職種によっては、破産手続き中は職業に就くことを制限されますので、該当する場合は退職、辞任、廃業する必要があります。
しかし、破産手続きが完了し、無事免責がおり、復権がされると、この職業制限はなくなります。
なお、個人再生手続きの場合は職業制限がありませんので、職業制限がある職種に就いている場合は個人再生手続きを検討されることを強くおすすめします。
生活するのに必要最小限の財産は残させてくれる
自己破産手続きをすると、家の中の財産を家族のものも含め全て持って行かれるイメージはありませんか?
でも、かならずしもそうではありません。
まず、処分の対象になるのは、本人名義の財産だけです。
一般的な家財道具は、高価なものでない限り手元に残ります。
また裁判所側も、債務者が生活を継続できるよう、配慮をしています。
こちらは、もともと東日本大震災の被災者の方向けの法務省による文書ですが、一般的な自己破産手続きについても適用される内容ですので、参考までに引用します。
破産手続の開始時に債務者が有する財産は,換価の対象となって債権者への配当に充てられますが, 債務者が破産手続開始後も生活を継続できるよう,一定の財産については換価の対象から除かれます。
このような財産のことを「自由財産」といい,例えば,(1)99万円までの現金,(2)差押えが禁止されている財産,(3)債務者が破産手続開始後に新たに取得した財産などが該当します。
また,これ以外の財産であっても,裁判所は,債務者の生活の状況,破産手続開始時点で債務者が有していた財産の種類及び額,債務者が収入を得る見込みなどの事情を考慮して,自由財産の範囲を拡張することができます。
これにより,例えば,99万円を超える現金や,自動車,電話,ストーブ等の生活に必要な財産も,自由財産に含まれることがあります。
このように、現金や生活用品、仕事道具など、自己破産手続きを行う人の生活基盤や仕事環境、道具まで取り上げてしまっては、自己破産後の生活が本当に立ちゆかなくなってしまいますので、その点は法務省も配慮をしています。
(ただし、自己破産手続きをするおおむね2年前までのところで、不審な財産移動や名義変更があると、財産隠し?と思われる可能性があります。その場合手続きに問題が生じたり、悪質な場合は免責不許可や犯罪になる場合もあるので、ご注意ください)
一方、本人の名義の通帳、保険・家・車などの高価な財産や、クレジット、分割で購入し支払い終えていないもの、退職金の1/8相当が20万円を超えるケース、本人保有の現金については、全て財産目録に正直に記載し、自己破産に強い弁護士・司法書士のチェックを受けた上で、裁判所に提出する必要があります。
また、自己破産に強い弁護士・司法書士の場合、「過払い金がないか?」ということも事前に調べ、それから自己破産申請なり他の手法を提案してくれる可能性もあります。
その過払い金の額によっては、自己破産以外の選択肢を選べる可能性も出てきます。
ただし、自己破産手続きを行う場合は、過払い金も本人の財産と見なされ、債権者に分配する対象になりますので、その点は気をつけてください。
(解約返戻金の積み立てが20万円以下の保険と、価値が20万円に満たないと見なされた車の場合は、処分の対象にならないこともあります)
その上で、裁判所が選任した破産管財人の指示に基づき、生活に最小限必要なものと現金99万円を残して、大きな財産は原則全てお金に換えて、債権者に対して債権額に応じ配当することになります。
このように、処分されるものこそ多いですが、あらゆる財産、ものを全て持っていかれるわけではないので、その点はご安心ください。
家族は連帯保証人などになっていない限り、返済義務や財産の取り上げ、家族の信用
情報への影響などはないことが多い
自己破産手続きを行うにあたって、これも心配される方が多い内容です。
結論から申しますと、自己破産によってご家族の信用情報に影響が出たり、ご家族の財産を差し押さえされるということはありません。
ご本人が自己破産をされても、配偶者(夫・妻)や子供、親がローンを組めなくなったり、クレジットカードを作れなくなることはありません。
ただし、注意していただきたいのは、住宅ローンなどで配偶者やご家族が連帯保証人になっている場合、連帯保証人となっているご家族にそのまま返済義務が移ります。
また、日本政策金融公庫から借り入れがある場合、ご家族もいくら信用力があっても、借り入れがほぼ不可能になるケースがあります。
ご本人以外にもご家族が取引をされていたり、日本政策金融公庫の教育ローンを利用することを検討されている場合は、自己破産時に日本政策金融公庫の残債がある場合、今後ご家族も公庫の利用ができなくなる可能性が高いことはご注意ください。
ただ、それ以外のケースで、ご本人が自己破産したからと言って、ご家族の信用情報に影響がでることはございませんので、その点はご安心ください。
浪費・ギャンブル・FXなど事情によっては、きちんと謝罪の意を示さないと免責されないと一般的に言われているが、初めてのことでかつ反省の気持ちを示せば免責されるケースもある
よく、ギャンブルやFXなどで大きな借金を作ってしまった・・・ということで、自己破産をして免責を受けるのは無理ではないか、と思い込む方がおられます。
確かに、事情によっては免責が厳しくなったり、強い反省の意を示す(裁判官に謝罪する、謝罪文を書くなど・・・)ことで、初回については免責を受けられるケースも、近年はよく聞くようになりました。
ただしこちらも、債務整理に強い弁護士・司法書士事務所の弁護士・司法書士のアドバイスやノウハウがないと、的外れになってしまいます。
きちんと弁護士・司法書士の先生に正直に事情を打ち明け、免責を受けられるよう生活改善や、今後同じ過ちを繰り返さないことを制約し、その上で弁護士・司法書士の先生としっかり打ち合わせを行うことが不可欠です。
以上、自己破産のメリット面について触れてみました。
それでは、デメリットの面についても触れていきましょう。
6つの自己破産のデメリットとは?
連帯保証人・保証人に迷惑をかける
もし自己破産を考える場合、連帯保証人・保証人がついている借り入れがないかということに注意しないといけません。
今回、詳しい説明は省きますが、連帯保証人がついている借り入れの場合、借り手の人が自己破産をすると、残った債務の全てを、連帯保証人がみんなで全額を返還する必要があります。
たとえば、6,000万の借り入れで連帯保証人が3人いるとしましょう。
自己破産すると、連帯保証人3人全員にそれぞれ6,000万を連帯して返済する義務が生じるのです。
たとえば、Aさんが3,000万円返して、Bさんが2,000万円、Cさんが1,000万円、あわせて6,000万円というふうに・・・
おまけに、例えば連帯保証人のうち2人が、「返せるかこんなの!」と自己破産をしてしまえば、残る1人の連帯保証人に6,000万円まるごと返済する義務が生じるわけです。
また、奨学金を日本学生支援機構(旧日本育英会)から借りている場合も注意が必要です。
日本学生支援機構の場合は、まず連帯保証人である親に全額の返済を要求しますが、親が亡くなっていたり、返済能力がない場合は、親族などの保証人がついていますので、保証人が半額を返済する義務が生じます。
以前ニュースでも話題になりましたが、連帯保証人と保証人、それぞれ一人ずつなので、保証人は法的には半額だけ返せばよいのです。
しかし、日本学生支援機構はそれを全額の返済を請求しており、批判を受けたことがあります。
いずれにせよ、連帯保証人、保証人には大きな迷惑をかけることを覚悟しておいた方がよいでしょう。
自己破産しても、必ずしも免責(全ての借金を返さなくてよくなる)とは限らない
自己破産についてよくある誤解として、「自己破産手続きがスタートすれば、借金を全く返さなくてもよくなる」というものがあります。
確かに弁護士や司法書士を通して自己破産手続きをすると、請求等はピタッと止まりますが、だからといって、その時点で借金が帳消しになったのではありません。
自己破産申請を行うことは、「もう返せません!」という宣言のスタートに過ぎないのです。
ここから、様々な手続きを経て、裁判所が「それではもう財産もほとんどないですから、返せなくていいですよ」という「免責決定」を経て初めて、借金を返さなくてもよくなるのです。
なので、「自己破産申請=借金帳消し」という考えをしないよう、気をつけてください。
自己破産しても税金・罰金・損害賠償・子供の養育費など一部免責されないものもある
これも意外と誤解されやすいのですが、自己破産手続きを行い、免責が許可される対象は、あくまで金融機関や、個人、法人からの借り入れのみです。
税金や社会保険料、罰金、損害賠償、子供の養育費などは、自己破産で免責されることはなく、必ず払わないといけません。
特に税金、社会保険料については、払えなくなる前に、税務署、日本年金機構、市役所などに相談することが大切です。
税金については事情の説明と、適正に払っていくための相談、社会保険料については、特に国民年金の場合減免や免除の制度が適用できないかなど、各公的機関に相談し、できる限り減らす努力と、払っていきたいが現在こういう状況であるときちんと伝え、自己破産手続きをする中でも払えるだけの誠意は示すようにしてください。
なお、言った言わないを防ぐため、会話を録音しメモを取ること、必ず担当者の名前を聞くこと、極力対面で相談することなど、きちんと対話をした記録と証拠を取るようにしてください。
自己破産の場合、必要最小限の財産を残して、家、車などは処分しないといけない
メリットの4でも触れましたが、必要最小限の財産は残る一方、家や車、その他高額品、場合によっては退職金の1/8など、ある程度資産価値のあるものは、債権者に対しお金に換えて分配しないといけません。
また、個人再生の手続きであれば、一定額を3年~5年返済し続けることになりますが、家や車など固有財産の処分、裁判所への出頭が必要なくなるなど、自己破産よりも負担の軽い部分もあります。
やはり記事をお読みの方が心配するのが、自己破産によって、生活にどのような影響が出るのか、また、自己破産手続きで免責がきちんと降りて、借金を返さなくてもよくなるのかということではないでしょうか。
ですが、債務整理に強い弁護士・司法書士事務所を選び、弁護士・司法書士の先生に素直に状況を話し、誠実に対応すれば、自己破産で失敗する可能性を大きく減らすことができます。
そのため、ぜひ自己破産の経験が豊富で、ノウハウの蓄積された弁護士・司法書士事務所を選ぶのが、自己破産で失敗しないための大きなポイントとなります。
免責がおりてから、5~10年間は様々な分割払いやローンの借り入れができなくなり、クレジットカードの作成もできなくなる
こちらも自己破産の大きなデメリットです。
致し方ないことなのですが、自己破産の記録は、自己破産時及び自己破産の免責が許可された場合に、自動的に、銀行、信販会社、クレジットカード会社、消費者金融が加盟している指定信用情報機関に登録されます。
指定信用情報機関は、下記の三社が存在します。
日本銀行協会(KSC)
シー・アイ・シー(CIC)
日本学生支援機構(JICC)
この三社は情報を共有する協定を結んでおり、どこか一社に「この人は自己破産をしました」という事故情報が掲載されると、他の二社にも自動的に共有されます。
さらに、それぞれの記録は5年~10年消えません。
なので、自己破産手続きをして、免責が許可されて5年~10年は、
- あらゆる借り入れができない
- 分割・ローンが組めない
- クレジットカードが作れない
というデメリットがあります。
ただし、ご家族の信用状況にまで影響が及び、ご家族がローンを組めなくなったり、カードを作れなくなることはありませんので、その点はご安心ください。
また、地域やサービスによっては、マンション、アパートの家賃や各種会費などを自社のクレジットカードのみで受けつけているところもあります。
そのような場合は、支払い方式の変更など何らかの手段をとるか、退会等せざるを得なくなるおそれがあります。
自己破産を申請しようとしていることを相手に知らせ、相談するのは最後の手段です。
事前にホームページで調べ、他の支払い方法がないかなどを確認し、またサービスの退会、家賃の支払い手段について柔軟な賃貸に引っ越すなど、生活費そのもののコストも削減することをおすすめします。
一方で、クレジットカードが作れないことによるデメリットの中で、「クレジット決済を必要とするネット取引や定期サービスが多く、不便な目に遭う」ということがありますが、近年はデビットカードの普及で、オンライン銀行のデビットカードを登録しておけば問題なく決済できるパターンも増えてきました。
ただし、オンライン銀行によっては、登録できないサービスがあるなど、得手不得手があります。
そのため、できるだけ複数のオンライン銀行のデビットカードを作っておいた方がよいでしょう。
官報に掲載される、郵便物を破産管財人に確認される、手続き中は一部の職に就けない、原則移動・引越・海外渡航の制限がされ、必要な場合は裁判官の許可を受ける必要があるなど、 債務が0になる代わりにいろいろな制限を受ける
最後に、これも大きなデメリットと言えるでしょう。
つまり、様々な自由を一時的に失い、就いている仕事によっては、職を辞めざるを得なくなるわけです。
まず、仕事については、弁護士などの士業(意外ですが、医師、看護師などは例外です)、
金融機関、保険会社の役員、警備員など、主に大きなお金を扱う仕事について、制限されます。
また、商工会議所の会員など、一部組織の会員になることも、破産手続きが開始し、免責が許可されるまではなることができなくなります。
このように、自身の仕事や所属している組織が、自己破産によりつけなくなる仕事でないか、また、所属できなくなる組織ではないかということは、ぜひ事前に調べ、自己破産に強い弁護士・司法書士としっかりと相談した方がいいでしょう。
また、5,000万円までの債務であれば、返済額を大幅に削減し、3年~5年で返済する「個人再生手続」を利用すれば、返済の義務は生じますが、職業制限の対象にはなりません。
そのため、職業によっては、個人再生手続きを行うことで、まずは収入源である仕事の継続を図った方がよいでしょう。
あわせて、プライバシーを、破産管財人(ほとんど弁護士が担当)、弁護士、裁判官、そして依頼する弁護士・司法書士に開示する義務があります。
どの職業も、強い守秘義務を要求されていますので、あくまで外に財産内容や自己破産の原因が開示されることはありませんが、唯一、
「自己破産を申請した」
「免責が許可された等」
という事実は、日刊で政府が発行する「官報」に掲載されます。
また、現在官報は、インターネットでも30日間、無料で閲覧できるようになっています。
官報は、金融機関などが毎日チェックしており、もし貸出先に自己破産申請などの事実が判明すれば、即金融機関はその情報を自社と信用情報機関に事故情報として登録します。
一般の人が官報を見ることはあまりありませんが、専門の業者は官報を見ていること、また一部悪質なヤミ金業者が、官報で自己破産者の免責が許可されたタイミングを見てダイレクトメールなどを送りつけてくる可能性があります。
この点は覚悟し、万一ダイレクトメールがきた場合でも、無視して処分しましょう。
以上、6つの自己破産のメリット・デメリットについて触れていきました。
自己破産は債務をゼロにしてくれる一方、人によっては公私大きな制限を伴う最後の手段であります。
債務整理に強い弁護士・司法書士を選び、きちんと弁護士・司法書士の先生とコミュニケーションをとること、また内容を正直に全て話すことが、自己破産で失敗しないための大切な要因です。
ぜひ、信頼できる弁護士・司法書士の先生と二人三脚で、人生をやり直すための第一歩を踏み出してください。
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