過払い金とは?はじめての方に過払い金請求のメリットデメリットをわかりやすく解説

よくテレビやラジオCM、広告などで「あなたの過払い金を取り戻します!」という弁護士・司法書士事務所の広告がよくあります。

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「過払い金ってそもそもなに?」

「どういう時に請求できるの?」

「期限はあるの?」

「借りていた会社がなくなっていた場合、どうなっちゃうの?」

など、過払い金に関する様々な疑問について解説、過払い金請求のメリット・デメリットをはじめての方にご説明します。

目次

そもそも過払い金とは?

過払い金の定義

過払い金を一言でいうと「あなたが払いすぎていた利息」と定義できます。

法律に照らすと、本当は必ずしも払う必要がない利息であったにもかかわらず、法律上の貸付金利を超える額を、消費者金融などの金融業者が貸し付けている状態です。

一般的には、金利や金額を踏まえて、消費者金融や信販会社からの借入期間が5年以上だと、過払い金が発生している可能性が高いと言われますが、それより短い期間でも過払い金が発生している可能性があります。

5年以上だから必ず過払い金があるとか、借りていた期間が3,4年だから過払い金が存在しないと一概にいうわけではなく、必ず過払い金の分野に精通した弁護士・司法書士に相談し、まずは取引履歴を取り寄せてもらい、計算を行ってもらうことが大切です。

なぜ過払い金が問題になっているの?

以前は、消費者金融会社や信販業者、クレジットカード業者など貸金業者の借り入れについて定めた「貸金業法」という法律をベースに、法律上の上限金利が29.2%と定められていました。

でも、それだと100万円を借りたら年間29万2千円の利息が付いてしまい、なかなか普通の状況では返すことができません。そこで、新しいところからお金を借りて返す・・・という多重債務者問題が、社会問題として重く見られるようになりました。

そして、金融庁は平成18年に新しい貸金業法をつくりました。

参考:貸金業法のキホン(金融庁サイト)

過払い金部分に関わる内容をかいつまんで説明します。

これまでは、貸金業法で定めた法律上の上限金利が29.2%でした。

貸金業法改正後は、借入金額に応じて法律上の上限金利を15~20%に引き下げることを決めたのです。

法律上の上限金利には、2つの上限金利があり、金利が安い利息制限法の上限金利(超過すると民事上無効)

と出資法の上限金利(超過すると刑事罰)の2種類がありました。

貸金業法の改正後は貸付額に応じ金利は15%~20%でしたが、改正前は金利が29.2%でした。さらに昔は、40%やそれ以上だった時代もあります。

これまでは、貸金業者の場合、金利15%~20%を超える29.2%の金利でも、一定の要件を満たすと、有効となっていました。(グレーゾーン金利)

そして、金融庁のサイトによると、

金利負担の軽減という考え方から、今回の改正により、平成22年6月18日以降、出資法の上限金利が20%に引き下げられ、グレーゾーン金利が撤廃されます。これによって、上限金利は利息制限法の水準(貸付額に応じ15%~20%)となります。なお、利息制限法の上限金利を超える金利帯での貸付けは民事上無効で、行政処分の対象にもなります。出資法の上限金利を超える金利帯での貸付けは、刑事罰の対象です。

と、記されています。

ちょっと表現が難しいので噛み砕いて説明すると、「貸金業者さんが、民事上はダメだけど刑事罰は科されないというグレーゾーンの高い金利で貸して、違法に儲けてきたでしょう!だから、法律を改正しましたし、違法に取った過払い金の部分は、今の法律に基づいて再計算し、払いすぎた部分があれば返してあげてください」ということなのです。

過払い金が発生する条件とは?

過払い金の発生には、どちらかの条件を満たす必要があります。

2010年6月17日以前に借り入れを開始した

2010年6月18日の改正貸金業法の完全施行から、金利が上記の金融庁による記事にもある通り、出資法の上限金利に基づく計算がされるようになりました。

一方で、それまでに取引を開始している場合、いわゆる「グレーゾーン金利」でお金を借り、利息を払っていることとなるため、過払い金が発生する可能性があります。

2010年6月17日以前に借り入れを開始し、最後の取引(借金の完済)から10年が経過し、時効となっていない

もう一つが、借金の完済後、10年を経過していないということです。2020年6月を過ぎると、時効の10年を過ぎるという思っている方もおられます。

しかし、借金の返済が続いていれば、完済後10年が時効となりますので、2020年6月を過ぎると間に合わないというわけではありません。

とはいえ、過払い金を請求する会社が倒産してしまえば、取り戻せる物も取り戻せなくなりますので、早めに債務整理に強い弁護士・司法書士に相談した方がよいでしょう。

なお、一度完済し、その後また借り入れをした場合は、一連の取引とみなされるかどうかで過払い金の額が変わってきますので、この場合もぜひ過払い金に強い弁護士・司法書士事務所にご相談ください。

過払い金が発生する場合、いくら返ってくるのか?

過払い金が発生する場合、いくらお金が返ってくるのかは非常に気になるところです。

過払い金の計算は、貸金業者からの借り入れ、返済履歴を元に計算されます。返済履歴は、借りた人側から請求しても、開示に応じてもらえない場合がありますが、債務整理に強い弁護士・司法書士事務所が請求を行うと、スムースに開示してくれます。

いずれにせよ、取引履歴を取得した上で、弁護士・司法書士にしっかりと調査してもらわなければ、過払い金がどのくらい発生するか正確にはわかりません。

そのため、2010年6月17日以前に消費者金融やその他金融業者と取引をしたり、信販業者、クレジットカード業者などからキャッシングなどの取引を行っている場合は、過払い金の対象になる可能性があるため、ぜひ過払い金に強い弁護士・司法書士事務所にご相談ください。

過払い金が回収できない可能性がある!?

いくら過払い金の対象のお金であっても、過払い金を請求する対象の会社が破産手続きに入り破産したり、会社更生法、民事再生法の手続きを行ったり、廃業すると、過払い金を取り戻すことができなくなってしまう可能性が高いです。

ただし、上記のような破産手続きの処理では、貸金債権を継承したり、他社に譲渡するなど、様々な方法で処理を行うため、過去の判例によっては、債権を引き継いだ会社に過払い金の支払い義務が残っているケースもまれにあります。

これについても、過払い金請求に強い弁護士・司法書士事務所であれば、様々な事例や弁護士・司法書士の先生の知識で、最初は請求会社が倒産などの法的手続きや廃業で存在せず難しいと思われていたケースであったけど、実は過払い金請求で可能であったというケースもありますので、ぜひ弁護士・司法書士事務所に相談してみましょう。(ただし、あくまで例外的な事例で、原則は厳しいと考えてください)

倒産など法的処理を行い、存続していない会社は多数ありますが、有名なところは、武富士、SFコーポレーション(旧三和ファイナンス)、アエル、丸和商事(旧ニコニコクレジット)、マキコーポレーション(おばあさんのマークで有名だった本田ちよ)、NISグループ(旧ニッシン、オリエントファイナンス)、今でもいろあせたカンバンを見かけるマルフクなどです。

そのため、時効まで期限があったとしても、できるだけ早く過払い金に強い弁護士・司法書士事務所に相談し、過払い金を請求できるよう急ぐことをおすすめします。

以上、過払い金について大まかな説明をしました。

それでは、過払い金請求による、メリット・デメリットについて説明していきましょう。

4つの過払い金請求のメリット

  • 払いすぎた利息が戻ってくるため、場合によってはこれまでの借金を完済し、さらにはお金が手元に残る場合もある
  • 借金の完済後でも、取引履歴がなくても、完済後10年は請求できる
  • 個人再生・自己破産のように官報に掲載されることはない
  • 信用情報機関にも、過払い金請求の情報を登録されることはない(過払い金請求をしたからといって、いわゆるブラックリストに載るわけではない)

4つの過払い金請求のデメリット

  • 手続きが複雑なため、過払い金に強い弁護士・司法書士事務所に依頼する必要があり、自分では難しい
  • 過払い金請求を行った会社からは、今後借りられなくなる可能性が極めて高い
  • 過払い金請求には、最低3,4ヶ月以上、訴訟になった場合はさらに長い期間がかかる
  • 残債務があり、過払い金請求を行っても債務が残る場合、信用情報機関に債務整理の情報が5年間残り、借り入れができなくなるおそれがある

4つの過払い金請求のメリットについて

払いすぎた利息が戻ってくるため、場合によってはこれまでの借金を完済し、さらにはお金が手元に残る場合もある

「払いすぎた利息が返ってくる」

これが過払い金請求の最大のメリットです。

法改正前は、29.2%が貸金業者の利息の上限でしたが、以前は40%など、いまでは考えられない時代もありました。逆にいうと、何十年も前から借りては返して・・・と継続的に取引を行っている人ほど、貸金業者に大きな金利を払いすぎていた可能性が高いのです。なので、貸金業者との取引が長い人ほど、過払い金請求に強い弁護士・司法書士に相談し、過払い金請求を行うことを強くおすすめします。

借金の完済後でも、取引履歴がなくても、完済後10年は請求できる

借金を完済していた場合でも、貸金業者には取引履歴の保存義務及び弁護士・司法書士から開示請求を受けたときの開示義務があります。

そのため、借金を完済した後であっても、また取引履歴が手元に残っていなくても問題はありません。前にも述べたように、過払い金請求に強い弁護士・司法書士が請求を行えば、取引履歴を弁護士・司法書士が取得してくれて、どれくらい過払い金があるかを弁護士・司法書士事務所で計算してくれるのです。

個人再生・自己破産のように官報に掲載されることはない

過払い金請求を行うことで、個人情報が個人再生・自己破産のように官報に掲示されるなど心配する方もおられますが、過払い金請求だけでは官報に掲示されることはありません。

4.信用情報機関にも、完済済みであれば過払い金請求の情報を登録されることはない(過払い金請求をしたからといって、必ずしもいわゆるブラックリストに載るわけではない)

これもよく心配される方がおられますが、平成22年以前は、過払い金請求を行うと、請求を行ったことが信用情報機関に登録されていました。

しかし、現在完済済みの債務であれば、過払い金請求が信用情報機関に登録されることはありません。

一方、債務が残っている場合は、一時的に債務整理の情報が信用情報機関に登録されることがありますが、過払い金の部分が多く完済できる場合は、情報を削除することができます。

注意していただきたいのは、過払い金請求を行っても債務が残る場合です。これについては、デメリットの4で言及します。

4つの過払い金請求のデメリットについて

1.手続きが複雑なため、過払い金に強い弁護士・司法書士事務所に依頼する必要があり、自分では難しい

過払い金請求は、非常に複雑な手続きです。

また、過払い金を計算するのに取引履歴が必要ですが、個人で取引履歴を請求しても、応じてくれない場合も多いです。

しかし、過払い金に強い弁護士・司法書士事務所を通すと、スムースに取引履歴を開示してくれます。

また、その後の貸金業者との交渉、必要に応じた裁判など法的手続きでは、弁護士・司法書士の力量が大きく問われるため、当然費用はかかりますが、弁護士・司法書士事務所に依頼する必要があります。

また、過払い金の額が大きい場合は、過払い金で弁護士・司法書士費用がまかなえ、さらに払いすぎたお金が戻ってくる可能性があるので、ともかく過払い金請求に強い弁護士・司法書士に依頼することは必須です。

2.過払い金請求を行った会社からは、今後借りられなくなる可能性が極めて高い

これも大きなデメリットではないですし、一度過払い金請求を行った会社からまた借りようという考えを持つ人は極めて少ないと思いますが、過払い金請求についての社内記録は残りますので、今後は過払い金請求を行った会社からは借りられなくなると考えた方がよいでしょう。

3.過払い金請求には、最低3,4ヶ月以上、訴訟になった場合はさらに長い期間と費用がかかる

過払い金請求の手続きは、過払い金請求に強い弁護士・司法書士事務所に依頼すれば、計算・貸金業者との交渉は行ってくれますが、ある程度の時間がかかります。

また、業者によっては強硬姿勢を取るところもあり、そのような会社に対しては訴訟に移行するため、時間と費用がかかります。

この裁判リスクについても、過払い金請求に強い弁護士・司法書士事務所であればノウハウを備えていますので、相談時にきちんと説明してくれます。

4.残債務があり、過払い金請求を行っても債務が残る場合、信用情報機関に債務整理の情報が5年間残り、借り入れができなくなるおそれがある

この点は、過払い金請求をする際に特に気をつけてください。

単に過払い金請求を行うだけでは、信用情報機関に登録、いわゆるブラックリストに乗るわけではありませんが、過払い金請求を行い、その過払い金の部分を充当しても債務が残る場合は、「債務整理」という項目で、信用情報機関に情報登録をされてしまいます。

債務整理の記録は5年間、信用情報機関にのこりますので、その間、借り入れ、クレジットカードなどの作成、ローン、10万円を超える携帯電話の割賦契約ができなくなるおそれが極めて高いです。

この問題に関しても、まず弁護士・司法書士事務所に相談し、取引履歴を取り寄せ計算してもらうことで、残債務が残るかどうかの計算を前もってできますので、心配な場合は事前に弁護士・司法書士事務所に相談してください。

過払い金請求を行うなら、一刻も早く、過払い金請求に強い弁護士・司法書士事務所に依頼しよう

これまで、過払い金請求の大まかな概要と、過払い金請求による4つのメリット、デメリットについて解説しました。

大切なのは、過払い金に心当たりがあれば、今すぐ過払い金請求に強い弁護士・司法書士事務所に、勇気をだして相談してみることです。

過払い金請求は、弁護士・司法書士事務所に依頼する手間こそかかりますが、消費者金融会社などとの取引が長ければ長いほど過払い金が発生しやすく、また、過払い金請求によるデメリットもそこまで大きくありません。

さらに、過払い金請求を行おうにも、時効になってしまっては、請求ができなくなります。

また、過払い金返還請求を行う会社がなくなったり、倒産・会社更生法などの法的手続きを行うと、請求が難しくなったり、過払い金請求できる額が大幅にカットされる可能性もあります。

ですので、一刻も早く、過払い金請求に強い弁護士。司法書士事務所に相談することを強くおすすめします。

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