任意整理したらクレジットカードが使えなくなった。そんなときに使えるデビットカード

任意整理をしたのち、信用情報機関のCICには5年間、事故情報が残ります。いわゆるブラック状態です。ブラック状態になるとクレジットカードを新規で作成することができません。

クレジットカードが作れないといろいろと不便です。そこでおすすめなのが、銀行で発行してもらえるVISAデビットカードです。VISAデビットカードは審査なしで発行してもらうことができ、VISA加盟店のショッピングやインターネットの決済でクレジットカードと同じように使用することができます。

VISAデビットカードとクレジットカードの違い

VISAデビットカードにも、一般的なクレジットカードと同様にカード番号があり、裏面に3桁のセキュリティーコードがあります。

ショッピングやレストランでお会計をするとき、クレジットカードと同じように専用端末を通して4桁の暗唱番号を入力、もしくはサインすれば支払いが可能です。また、インターネットで買い物をするときにも、クレジットカードで支払いを選択して、カード番号を入力すれば決済することができます。

では、クレジットカードとVISAデビットカードの違いはどこにあるのでしょうか。

クレジットカードとVISAデビットカードの違いはどこにある?

クレジットカードVISAデビットカード
発行元カード会社(銀行・信販会社・百貨店・電気メーカー・自動車メーカーなど)銀行(三菱東京UFJ銀行・楽天銀行・ジャパンネット銀行・スルガ銀行・りそな銀行・住信SBIネット銀行)
年会費あり・なし両方あり・なし両方
有効期限ありあり
利用限度額カード会社の与信審査で付与されたショッピング枠の限度額まで銀行口座にある預金残高の額まで
(自分で限度額の設定可能)
決済の仕組み決済の時点では、カード会社が支払いは立替え、翌月の支払日にまとめて、指定口座から引き落とす。決済のたびに、その都度、すぐに銀行口座から引き落とす
一括払いできるできる
分割払いできるできない
リボ払いできるできない
キャッシング枠付けられる付けられない
発行の審査申込者の属性(年収・勤務先・勤続年数など)や信用情報機関を照会します。そして、他社からの借入状況、事故履歴の有無を審査し、与信枠を決定対象の銀行に預金口座さえあれば、審査不要で発行できる。銀行口座の開設の条件(15歳以上)さえ満たしていれば基本的に問題なし
信用情報機関照会する照会しない
クレジットヒストリー実績になる実績にならない

このような違いがありますが、一番の違いとしては決済の方法になります。デビットカードは一括払いのみしかできないのに対して、分割払い、リボ払いをクレジットカードはすることができます。

デビットカードは便利なキャッシュカード

クレジットカードの場合、翌月一括払いにして一時的に立替が発生します。つまり、カード会社からお金を借りることになります。そのため、カード会社は、あとで請求したら払えなかったということがないように、しっかりと申込者の支払能力や信用力をきちんと審査します。

一方、デビットカードでは、自分の持っている銀行口座から会計のたびに即お金がお店に支払われます。銀行はその決済のシステムを補助するだけであり、代金の立替をしてくれるわけではありません。

つまり、ATMで口座から銀金をおろして支払うのと、デビットカードは全く変わりありません。そのため、デビットカードの発行には審査はないのです。銀行からすれば、キャッシュカードを発行するのと大して変わりはありません。

実際問題、多くの銀行ではデビットカード(VISAデビットカード)とキャッシュカードは一緒なっています。普通のキャッシュカードとして使用することも可能です。

キャッシュカード一体型について

ジャパンネット銀行を例にしてあげます。

ジャパンネット銀行では、新規口座を開設した場合、初期のキャッシュカードはVISAデビットカードです。他の銀行の場合、新規口座の開設時に、一般的にはキャッシュカードとVISAデビット機能付きのキャッシュカードのどちらかを選択できます。

ただし、三菱東京UFJ銀行のように通常のキャッシュカードとは別のカードとして、デビットカードが作られる銀行もあります。これは、銀行によって異なります。

VISAデビットカードを利用するには、当然ですが、その発行元の銀行で口座を開設する必要が当然ですが、あります。銀行口座を開設するにあたり審査はありますが、この審査では「任意整理」や「債務整理」をしているという理由で落ちることは原則ありません。

VISAデビットカード一覧

すでに口座を持っている銀行であれば、そのままデビットカードを申し込むだけで発行することができます。

もちろん、口座を新規開設して同時にVISAデビットカードを申し込んでもかまいません。

VISAデビットカードで生活に困る場合はほとんどない

クレジットカードを保有できず、代わりにVISAデビットカードを使用するとしても、日常生活で困るシーンというのはほとんどありません。

もちろん、使用できるのはVISA加盟店に限定されるのですが、国内や海外ともに国際ブランドのVISAが使用できないのは、ほとんどありません。また、楽天のデビットカードに関しては、VISAではなくJCBを選択することができます。

当然、コンビニ、たとえばセブンイレブンやローソンでも使用することができますし、ネットショッピングサイトのアマゾンや楽天、メルカリなどにも使用することができます。iTunesストアGoogle Playでも利用可能です。

concierge
分割払いやリポ払いができないというデメリットはありますが、任意整理や債務整理にて借金はこりごりという人であれば、今後はしばらく分割払いやリボ払いは不要でしょう。

VISAの決済でデビットカードのみ使えないシーンについて

デビットカードのデメリットとして、VISAデビットカードでは、毎月の料金支払いには利用することができないというものがあります。

以前はたしかに、

  • 公共料金
  • NHK料金
  • 携帯電話の通信料
  • プロバイダー料金など

毎月発生する支払にはVISAデビットカードでは利用することができないのが普通でした。

近年では、多くの銀行のVISAデビットカードは、公共料金である、電気代・ガス代・水道代や携帯電話料金であるソフトバンク・AU・NTTドコモ、プロバイダー料金であるNTT東日本、NTT西日本などの支払いが可能になってきています。

月額利用料金への対応

  • 楽天銀行デビット:電力各社・水道各社・ガス各社・NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモ、ソフトバンク、AU、ワイモバイル、NHKの支払いに対応
  • 三菱東京UFJ銀行デビットカード:携帯電話、公共料金、ワイモバイル、ショウタイムなど。一部のインターネットプロバイダー(BIGLOBE・So-net・GMOとくとBB)での利用不可
  • ジャパンネット銀行:携帯電話・固定電話(NTT東日本、NTT西日本)、新聞料金、公共料金、NHK、ニコニコ動画などの支払いに対応。ツタヤディスカスでの利用は不可
  • スルガ銀行デビット:携帯電話、公共料金、インターネットプロバイダーの支払い可能。JR西日本「SMART ICOCA」などの一部加盟店で利用不可
  • 住信SBI銀行デビット:電気・ガス・水道などの公共料金、携帯電話、プロバイダー利用料(NTT東日本・NTT西日本)、NHK、Huluでの利用可能
  • りそな銀行デビット:NTTドコモ・AU・ソフトバンク、イーモバイル、ウィルコム、NTT東日本・西日本、NTTコミュニケーションズの支払いに対応。ニコニコ動画、wowow、DMM.com、J:COMなどで利用不可

上記のように大手キャリア3社の携帯電話、公共料金、NTT東日本・西日本の支払いには対応しているVISAデビットカードが多くなります。

中小規模のインターネッとプロバイダーの利用料や個別のWEBサービス・アプリの月額課金、ウォーターサーバーや動画配信サイトの月額利用料金などには、完全に対応しているわけではないようです。このあたりは、公式サイトにも詳細は明記されていませんので、気になる場合は、事前に問い合わせるといいでしょう。

ガソリンスタンドでの利用

ガソリンスタンドでの使用も銀行によって可否が異なります。

ジャパンネット銀行の「JNB Visaデビットカード」や住信SBIネット銀行のデビットカードは、ガソリンスタンドでも利用が可能です。。利用した場合、決済から引き落としまで1週間~3週間程度のラグはあります。

一方で、三菱東京UFJ銀行のデビットカードは、ガソリンスタンドでは利用することができません。楽天銀行デビットカードでは、口座残高が1万円以上ある場合のみ利用することができます。

格安スマホを契約する予定のある人は注意

任意整理や債務整理をおこない、今までの携帯電話を使用することができなくなり、これから格安SIM(格安スマホ)の購入を検討しているのであれば、MVNO事業者への通信料の支払いがデビットカードに対応しているかどうか調査をする必要があります。

近年では、口座振替で支払いのできる格安SIMも増えていますが、格安SIMの大半は通信料をクレジットカードでの支払いが必要です。前述のとおり、口座振替で支払いのできる格安SIMが増えていますので、まずは調べてみることが大切です。

たとえばですが、U-Mobileの格安SIMの公式サイトでは、クレジットカードのみと明記されています。

また、銀行のデビットカード側で「携帯電話の支払い可能」と宣伝している場合でも、よくよく調べた結果、NTTドコモ、AU、ソフトバンク、ウィルコムまでしか対応しいません。MVNO事業者、つまり格安シムには対応していないこともあります。

これらの情報については、ネットでの評判を調べたとしても、古い情報しか出ておらずあまり参考にならないケースがあります。そのため、購入前にMVNO事業者のカスタマーセンターに電話して、デビットカードが使えるかどうかを聞くのが確実です。

高速道路料金の支払いには、VISAデビットカードの使用は不可

高速道路料金と飛行機の機内販売の2つには、現在のところすべてのVISAデビットカードは利用できないとなっています。この2つは原則、すべてのデビットカードを選んだとしても使用することができないと考えて間違いはありません。

飛行機の機内販売は、別に使えなくても困る人は多くないと思います。しかし、高速道路料金の支払いについては、不便を感じるのではないのでしょうか。

当然ですが、デビットカードはクレジットカードではないので、ETCカードを追加カードとして作成することはできません。どうしてもETCカードが必要な方は、高速道路会社が共同開発をしているETCパーソナルカードの利用が挙げられます。あまりメリットが大きいETCカードではありませんが、ないよりはマシです。

2016年6月からETCパーソナルカードの最低保証金の額が2万円に引き下げられたものの、保証金(デポジット)は高速道路料金の支払いに使用されるわけではなく、料金は別途、銀行口座から引き落される仕組みになっています。

concierge
あくまでもないよりはマシのカードであり、高速道路を頻繁に使用しないのであれば、所持する意味はありません。

VISAデビットカードを使うのは少し恥ずかしいという方は?

近年では有名なタレントさんがVISAデビットのテレビコマーシャルをはじめ、宣伝広告が増えてきましたので、デビットカードの利用者も増加しているのは間違いありません。そのため、デビットカードに対して、偏見を持つ人は多くありません。

ひと昔前では、デビットカードの使用=信用情報機関にブラック登録されている、クレジットカードを使えない人といった意見もありました。デビットカードは信用情報機関などにブラック登録され問題のある人が使用するというイメージのあるカードが一部にはありました。

しかし、近年では単にクレジットカードを使いたくない現金主義の人が利便性からデビットカードを使用するケースが増えています。そのため、恥ずかしいという風潮は過去のものとなっています。また、自分からあえて言わない限り、そもそもな話デビットカードの使用がばれることはありません。

カードの見た目だけではVISAデビットカードとはわからない

発行する銀行にもよりますが、一般的にVISAデビットカードのデザインは、クレジットカードのデザインは区別がつかない程、似ています。そのため、よほど精通している人でない限り、パッと見で「それVISAデビットカードだよね?」とは指摘することはありません。

クレジットカードと同じようにVISAマークがあり、ICチップ、12桁のカード番号が記載されています。ただ、デビットカードの場合は、券面には「DebitCard」と書いてあります。その程度しか、クレジットカードとVISAデビットカードの外見には違いはありません。

つまり、パッとみで違いがわかる人のほうがどうかしています。

例えば、イオンや楽天のデビットカードについては、クレジットカードとほとんど同じデザインになります。デビットカードだといわれなければ、わからない人のほうが圧倒的に多くなります。

ただし、三菱東京UFJ銀行のデビットカードのように、縦型のデザインで大きく「DebitCard」と書いてあるものもあります。気になる方は、あらかじめデザインを調べ「DebitCard」の文字が目立たないものを選ぶようにしましょう。

レジで支払うときにデビットカードと宣言する必要はない

買い物や食事、デートでデビットカードを使用するときも、わざわざ「デビットカードでお願いします」と宣言する必要は全くありません。普通に「カードで」や「VISAで」「1回で」などといえば問題はありません。

店員もクレジットカードとデビットカードで、処理の手続きが変わるわけではありませんので、そこまで気にしません。処理手続きとは、専用端末に読み込ませて、暗証番号、もしくはサインをするというもので、流れはクレジットカードとまったく同じです。そのため、わざわざ神経質に区別なんてしません。

むしろ、使用者が「デビットカードで」と余計なことを言いますと、J-Debit決済と誤解されてしまい、ややこしくなる可能性があります。

ジャパンネット銀行のサイトの「使い方」のページには、下記のような解説があります。

店頭
「Visaで」「1回払いで」とお伝えください。
(日本国内の店舗で「Visaデビットで」と伝えると、「J-debit」で決済されることがあります。)

引用:どうやって使うの? ジャパンネット銀行

ちなみに、J-debitとは、普段我々が使用している銀行のキャッシュカードに最初から備わっているデビットカード機能のことです。

これはあまり知られていないことなのですが、ほとんどの銀行のキャッシュカードには、あらかじめJ-debit決済というデビットカード機能が備わっています。ただし、J-debit決済の加盟店がそもそも少ないので、そこまで浸透してはいません。

ですが、逆にわざわざ「デビットカード」と言うと、J-debit決済のことかと逆に勘違いされてしまう可能性がありますので、わざわざ自ら宣言する必要は一切ないということです。

まとめ

任意整理をしてしまうと、クレジットカードは使用することができなくなります。その期間は、完済してから5年間です。そのため、3年間のリスケジュールをしてしまえば、8年間はクレジットカードを使うことができません。

しかし、クレジットカードがない生活というのは不便であり、それを解決するための手段として、デビットカードがあります。VISA加盟店ではクレジットカードのように利用することができ、審査をほとんど必要とせずに発行することのできるクレジットカードと似た機能を持ったカードです。

ただし、クレジットカードとは異なり立替払いをすることができず、利用をすると、即座に口座から利用料金が引き落とされます。1回払いしかすることができず、分割払いや、リボ払いをすることができない点がクレジットカードとは異なる点です。

また、クレジットカードのようにすべての支払いに利用できるわけではなく、支払いを受け付けていない場所もあります。たとえば高速道路の料金の支払いのために利用することはできません。

そのため、VISAデビットカードを利用するのであれば、事前にどこが使えないか、どこで使えるかを調べておきましょう。

デビットカード比較プロ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です